第五章
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「じゃあ帰るか。啓太郎も待ってるしな」
「三原君もね」
「そうだな。今日はあいつもいるしな」
乾は彼の名を聞いて笑みを浮かべた。
「じゃあ帰ったらゲームでもするか」
「何するの?」
「格闘ゲームでもしようぜ」
彼はこう提案してきた。
「皆でな」
「いいね、それ」
そんな話をしながら楽しく帰っていた。しかく啓太郎の家に着いてそれは一変した。
「・・・・・・おい」
乾も真理も家の前に止まっているそのサイドカーを見て声をあげた。
「何でこれがあるんだよ」
丁度家の前に立っていた三原に問う。
「もう壊れたんじゃなかったのかよ」
「それだけじゃない」
三原は乾に対して強張った顔で言ってきた。
「とんでもないことになっている」
「何だ!?オルフェノクの残党でもいたのかよ」
「違う」
彼は言う。
「いいから家の中に入ってくれ。そうすればわかる」
「何だっていうんだよ」
乾も顔を強張らせていた。実は彼も嫌な予感がしていたのだ。
「あっ、たっ君」
家の中から啓太郎が飛び出て来た。そして彼も乾に声をかける。
「帰って来たんだね、待ってたんだよ」
彼にすがるようにして言ってきた。やはり何かあったようである。
「どうしたのよ、あんた達」
真理は玄関の灯りを頼りに二人の顔を見ながら問うた。
「おかしいわよ、何があったのよ」
「あのね、帰って来たんだよ」
「帰って来た!?」
乾が啓太郎のその言葉を目を顰めさせてきた。
「誰がだよ」
「それがね、あの」
「久し振り、かな」
「何っ!?」
玄関からまた誰か出て来た。灯りに照らし出される顔を見て乾も真理も思わず息を呑み目を瞠った。
「御前、どうしてそこに」
「草加君」
「生き返ってきたんだよ」
草加は首を少し左右に動かしながら二人に言ってきた。
「あの海岸でな。黒い服を着た若い男とスマートレディにカイザを受けてな」
「スマートレディに」
乾はその名前を聞いて目の光を強くさせた。
「あの女、まだいたのか」
「話はそれで終わらないんじゃないかな」
「どういうことだ」
「あいつが生きているってことはオルフェノクもまだ健在だってことさ」
草加は言う。
「あいつ!?誰のことだ」
「わからないかなあ。木場だよ」
「木場!?あいつは」
「俺にはわかるんだよ」
草加はそう言いながら玄関を出た。そしてゆっくりと広場に向かう。
「巧っ」
真理が乾に声をかけた。
「行こう。木場さんが本当にいるんなら」
「ああ。まさかとは思うが」
「俺も行く」
三原も出て来た。
「俺も。何か大変なことになってない!?」
啓太郎も。彼等はそのまま草加の後について行くのであった。
草加は広場に着くとそのまま立っていた
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