第二章
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再びレーガンの言う政策を見た、そうして彼等はまた話した。
「アメリカは強くないとな」
「ああ、レーガンの言う通りだ」
「ベトナムで負けて落ち込んでるが」
「このままだと駄目だ」
「ソ連に負けるぞ」
自然とこの言葉が出た。
「あの国にな」
「悪い奴等に負けるぞ」
「それだけは駄目だぞ」
「合衆国の正義を守らないとな」
「それならな」
「ああ、強いアメリカだ」
「軍事力を強化して産業を復活させる」
「そんなアメリカでないと駄目だ」
こう話すのだった。
「今のままじゃ駄目だ」
「そのことは事実だ」
「アメリカは強くないと駄目だ」
「絶対にな」
「レーガンの言う通りだ」
「アメリカは強くあれ」
「強いアメリカでないと絶対に駄目だ」
多くのアメリカ市民達はこう結論付けた、そして。
大統領選挙ではだった。
「レーガンだ」
「レーガンに投票するんだ」
「強いアメリカだ」
「アメリカをまた強くするんだ」
「軍事力の強化だ」
「産業の復活だ」
口々に考え言ってだった。
レーガンに投票した、そしてだった。
レーガンはアメリカ合衆国大統領となった、そうして実際にだった。
彼はレーガノミニクス、新自由主義と言われる俗に大企業優先と言われる弱肉強食型とされる経済政策を推し進めてだった。
最新鋭の強力な兵器を次々に導入させその数を増やし戦艦まで現役復帰させてだった。
強力なアメリカ軍を復活させた、そのうえで派手に宣伝した。
「強いアメリカだ!」
「アメリカは強さを取り戻したぞ!」
「もうソ連に負けるか!」
「他のどんな国にも負けるか!」
「悪い奴はかかって来い!」
「正義は勝つだ!」
多くのアメリカ市民はその宣伝に乗って力強く言った、だが。
レーガンは軍事行動は殆ど起こさなかった、彼はその高い鼻と小さな目が印象的なその顔で不敵に笑って話した。
「我が国が強くなれば敵はどうするかね?」
「敵、ソ連等ですか」
「そうだ、彼等はどうするかね」
ホワイトハウスの自身の執務室で側近の一人に尋ねた。
「一体」
「勝とうとします」
その側近はこう答えた。
「やはり」
「強いアメリカにだね」
「はい、何としても」
「しかしアメリカに軍事力で勝つにはだ」
レーガンは側近にこう返した。
「どうしても相当な軍事力が必要だ」
「我が国以上の」
「ソ連にしてもな」
最大の敵であるこの国もというのだ。
「やはりな」
「現実としてそうですね」
「しかしだ」
ここでレーガンはさらに言った。
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