第三章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「貴方は生きなければならないからです」
「貴方は」
そこにも青年が現われた。そしてスマートレディもまた。
「またオルフェノクとして生きろと」
スマートレディを見てそう思った。しかしそれは違っていた。それは他ならぬ彼女の言葉によって否定されてしまった。
「それが違うの。残念ね」
「では人間として生きろと」
「そうです。それにオルフェノクも人も変わりないですから」
「変わりない」
木場は青年の言葉に目を丸くさせる。
「そんな。人とオルフェノクは対立するものの筈だ、それがどうして」
「それは貴方の誤解です」
青年は述べる。
「その誤解もまた解けるべきなのです。さあ」
そして木場に声をかけた。
「行きなさい。貴方の行くべき場所に」
「行くべき場所」
「それは木場君が一番わかっている筈よ」
スマートレディはにこやかに笑って彼に述べる。
「何処に行けばいいのかは」
「わかった」
俯いてそれに答える。
「俺の行くべき場所に。行って来る」
彼は二人に言ってその場を去った。そのまま彼が行くべき場所に向かうのであった。
「後は彼女ですよね」
スマートレディはまた青年に声をかけた。
「行きます?」
「いえ、彼女はもう向かっています」
「あら、もう生き返らせたのですか」
「いえ、彼女はあの人が蘇らせました」
青年は言った。
「既に彼等の場所に向かっています」
「あら、もうなんですか。それはびっくり」
「ただ。少し時間がかかると思います」
「どうしてなんですか?」
「会わなければならないからです」
「誰と?」
「アギトと」
それが青年の言葉であった。一言であった。
「彼等のうちの一人と会う運命ですから」
「そうだったんですか」
「皆運命に導かれているのです」
青年はまた言う。
「乾巧、草加雅人、三原修二」
三人のライダーの名を。
「木場君もですか?」
「はい。そしてアギトの戦士達もまた」
「ええと。確か」
スマートレディは記憶を手繰りながら述べてきた。
「津川翔一君に氷川誠君、葦原涼君でしたね」
「そして木野薫」
かつて彼と戦った男達だ。今では彼等もまた青年と想いを同じくさせている。
「彼等の力も必要なのです。オルフェノクの因果を終わらせる為には」
「ですか」
「そうです。では次はですね」
「私の仕事ですか?」
スマートレディは青年に問う。
「やっぱり」
「天のベルトと地のベルト」
青年は静かに語る。
「そのうちの一つをお願いできますか」
「一つでいいんですか?」
「一つしか手に入らない運命ですから」
それが青年の答えであった。
「それで構いません」
「わかりました。じゃあスマートブレイン社に一旦戻ります」
「はい」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ