第一章
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乙女の恋愛
藤原夏実は何と今年百一歳になる、だが誰もその彼女を見て信じなかった。
「えっ、嘘ですよね」
「それで百一歳!?」
「それはないですよ」
「いえ、そうなのよ」
若々しい十代の女の子のそれも奇麗なソプラノの声で言う。
腰までの光沢のある奇麗なロングヘアに皺なぞ何処にもない白いすべすべとした肌、切れ長の奇麗な大きな目に小さなピンクの唇に細い見事な形のカーブを描いた眉に白く頬がほんのりと桜色になった顎の先が尖った顔にだった。
一五八の背で上から八十八、五十六、八十九のスタイルで脚も奇麗ですらりとしている。筋肉も衰えはない。
その外見を見てだ、誰もが信じなかった。
「高校生?」
「それ位だよな」
「それもアイドル出来る位の」
「それ位だよな」
「百歳超えてアイドルはないわよ」
笑顔でだ、夏実は周りにいつもこう返した。
「流石にね」
「だから百歳って」
「嘘でしょ」
「それはとても」
「いや、本当にね」
これがというのだ。
「私はね」
「百一歳ですか」
「百歳超えですか」
「そうですか」
「そうなのよ」
笑って言うのだった、だが。
やしゃ孫、曾孫の子の一人で現役女子高生である野上三奈美茶色にした髪の毛をショートにしている夏実そっくりの顔立ちと背丈とスタイルの彼女は言うのだった。
「いや、ひいひいお祖母ちゃん普通によ」
「アイドル出来るの?」
「一旦試しに応募してみたら?」
夏実の自宅で本人に告げた。
「絶対によ」
「合格するとか?」
「するわよ」
断言した。
「もうね」
「まさか」
「そのまさかよ、どう見てもね」
一緒にお茶と羊羹を楽しむ夏実を見て話した。
「女子高生の制服着てもね」
「似合うの」
「試しに私の通ってる高校の制服着てみる?」
「絶対に似合わないわよ」
「そう言うけれど着てきたらね」
「そこまで言うなら」
「ええ、出すわね」
こう言って今着ている私服のスラックスの右の前ポケットからだった。
三奈美は自分が通っている高校の制服、かなり可愛いデザインの濃紺のブレザーとグレーのヒラヒラのミニスカートと白のブラウスに赤いリボンのそれを出した。
そしてそれを夏実に着せると。
「入学案内のパンフレットに出られるわね」
「そうかしら」
「ええ、しかもね」
今は上は白の体操服下は黒の半ズボン姿の体育の服装で白いソックスの彼女をジト目で見つつ話した。
「体操服姿もよ」
「似合ってるの」
「制服姿で登校してね」
自分の通っている学校にというのだ。
「体育の授業に出てもよ」
「大丈夫なの」
「告白する子出るわよ」
「まさか。百一歳のお婆ちゃんに高校生の男の子がって」
「外見と動
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