第一章
[2]次話
雨が降ってた
仕事が一段落してほっとしてだった。
ふと窓の外を見ると雨が降っていた、私はその雨を見ただけで嫌になった。
「傘持って来てないのね」
「この時間でこの強さだと夕立でしょ」
隣の席の同僚が言ってきた。
「だから帰る頃にはよ」
「止んでるかしら」
「多分ね」
「折り畳み持って来てるけれど」
「じゃあいいでしょ」
「雨自体がね」
まさにそれそのものがとだ、私は彼女に答えた。
「嫌なのよ」
「雨嫌いなの」
「通勤の時はね」
「そういうことね」
「ええ、濡れるから」
まさにこれが理由だ、私は傘をさすのが子供の頃から苦手でそれをさしてもよく濡れる、それで雨が嫌なのだ。
「どうもね」
「そう言うけれどね、雨も降らないとよ」
「水不足になるわね」
「それに夏の暑い時なんかね」
「雨が冷やしてくれるわね」
「だからよ」
私に真面目な顔で話してきた。
「どうしてもね」
「雨も必要ね」
「現実としてね」
「わかっていても」
それでもだ。
「雨は嫌なのよ」
「通勤の時は」
「本当に止んで欲しいわ」
心から思って言った、それで帰るその時までに雨が止むことを願った。そうしながら仕事に気持ちを戻してだった。
定時に終えた、その時にはだった。
雨が止んでいた、それで私は同僚に笑顔で話した。
「よかったわ、それじゃあね」
「これでなのね」
「お家に帰るわ」
「傘をささないで」
「そうするわ」
笑顔で話してだった。
私は自宅まで上機嫌で帰った、それからは晩ご飯を食べてそのうえでお風呂にも入って気持ちよく寝た。雨に遭わなくて本当によかったと思った。
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