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我が剣は愛する者の為に
一目惚れ
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策に向かうか。
という訳で、一刀と月火を残して俺達は宿を後にする。
って言っても、俺達は別々で行動する事になった。
豪鬼と美奈の家族の間を割って入るつもりもない。
星には一緒に来るかと誘われたが、悪いがそれほどメンマに興味がないので断った。
ちょっと寂しそうにしていたので、後で何か土産でも買うか。
ある程度店などを見て回りながら、歩いていると。

「てめぇ〜、俺に喧嘩打ってんのかよ!」

そんな声が聞こえた。
その方に視線を向けると、一人の少女にガラの悪い男が絡んでいる。
服装を見た限り行商人のようだが、全く服が合っていない。
何が原因で怒っているのかは分からないが、行商人は拳を握り、今にも殴りに行こうとしていた。
それを黙って見過ごす訳にはいかない。
少女を殴ろうとする拳を俺が変わりに受け止める。

「おいおい。
 大の大人がこんな可愛い子に手を挙げて良いのかよ?」

「だ、誰だ!」

「通りすがりのお節介焼きだ。」

この子の方が悪い事をした可能性もあるが、それでもこの子が殴られていい事にはならない。
拳を弾き、その隙に少女と行商人の間に入る。

「このっ!!」

再度、拳を握り、今度は俺に殴りにかかってくる。
原因は不明だが完全に頭に血が上っているようだ。
向かってくる拳を首を横に移動させ、紙一重で避ける。
左手でその拳の手首を掴み、右手で胸ぐらを掴む。
そのまま空中で一回転させて、地面に叩きつける。

「があはぁ!!」

叩きつけられた衝撃で、肺から酸素が吐き出される。
手加減はしたのでそれほど痛みもない。
けど、これで頭が冷えた筈だ。

「頭が冷えたか?
 この子が悪いかもしれないけど、そこは大人の貫録見せて、ね?」

「ち、ちくしょう!」

悔しそうに言葉を吐いて立ち上がると、そのまま何処かへ立ち去って行った。
少しだけ息を吐いて、俺は振りかえる。

「君、怪我はない?」

そう声をかけるが、全く反応がない。
少し怖くなったので、手で少女の前を上下に動かす。

「う、うん?
 お〜い、大丈夫かい?」

声を聞くと、我に返ったのか目が合う。

「おっ、気がついた。
 君もちゃんと前を歩いて行くようにな。」

ちょっとだけ注意をして、俺はこの場から立ち去ろうとする。
しかし、後ろから手を掴まれて動きを止める。
振り返ると少女が俺の手を握っている。

「あ、あれ?
 他に何か?」

もしかしたらお礼を言いたいのかもしれない。
礼儀正しい子だ。
何故か、その子は顔を赤くしながら口を開いた。

「私と、結婚してください。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は
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