第八十三部第五章 謎の兵器の正体その九
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「どうしても」
「左様ですね」
「連合においては」
「どうしてもです」
「大航海時代から帝国主義時代の歴史があります」
「それが心に刻まれています」
「それも強く」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「我々としてはです」
「そうならない為にも」
「再びエウロパに征服されない為にも」
「植民地時代の様にならない為にも」
「技術はです」
それはというのだ。
「常にです」
「上げていくべきですね」
「まさに」
「そうしていくべきですね」
「そうです、そして」
そのうえでというのだ。
「エウロパを技術力で圧倒し」
「そしてですね」
「国力もですね」
「上げていく」
「そうしますね」
「そうです、そして」
それでというのだ。
「エウロパが飲み込めない様な国であり続けるのです」
「軍事力でもですね」
「エウロパを圧倒し」
「彼等が到底勝てない様にする」
「そうしていきますね」
「それが最大の国防です」
相手国を技術的にも国力でも圧倒し巨大な軍隊を持つことこそがとだ、八条は将官達に対して落ち着いた声で話した。
「高度な技術を持ち巨大な国家であることが」
「軍事的にも」
「そうあるべきですね」
「これからも」
「連合軍も」
「そうです、しかしエウロパとの技術力の差は」
八条は危惧する顔で述べた。
「今度縮まることはです」
「確実ですか」
「それは避けられないですか」
「どうしても」
「今は三百年以上の差がありますが」
それがというのだ。
「かなりです」
「縮まりますか」
「そうなってしまいますか」
「今後は」
「そうかと。日本は維新から七十年で、です」
これだけの歳月でというのだ。
「欧州各国に追いつきましたね」
「はい、二次大戦の頃にはでしたね」
「強大な海軍を持っていました」
「そして戦後はです」
「欧州各国を抜き去りました」
「到底追い付けないと思ったものが」
それがというのだ。
「それだけの歳月で変わりました」
「日本はそれが出来た」
「そして他の国も然りでしたね」
「どの国も産業革命を達成していき」
「技術を手に入れていきましたね」
「何度も申し上げますが技術は人種とは関係ありません」
それも一切というのだ。
「人間の能力なぞ大差ないのですから」
「だからこそ、ですね」
「エウロパも我々に追いつく」
「そうしてきますね」
「そうです、ただ技術的に近付かれても」
ここで八条はこんなことも言った。
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