第81話 絆を深める
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side:リィン
「……ん、ここは?」
ヴァルターに敗北した俺は気が付くとベットの上で眠っていた。見覚えのあった天井を見て俺はここが中央工房の医務室なのに気が付いた。
「リィン!」
「気が付いたのか!」
「フィー、ラウラ……」
側にいてくれたのか二人が俺に駆け寄ってきた。
「リィン、体は大丈夫?痛くない?」
「そなた、丸一日は眠っていたんだぞ?もう起きても大丈夫なのか?」
「……ああ、まだ体は痛むけど少なくとも団長の拳骨を喰らった時よりは楽だよ」
「そんな冗談が言えるのならもう大丈夫だね」
「うん、そうだな」
フィーが安堵の笑みを浮かべ釣られてラウラも笑った。その後ラウラがエステル達を連れて来てくれた、皆俺が目を覚ましたと知って喜んでくれたよ。
「ジンさん、お久しぶりです。助けてくれてありがとうございました」
「なに、礼を言われることはしていないさ。寧ろ身内が酷いことをしてしまって申し訳ない」
「身内?」
「ヴァルターは俺の同門だ、かつて俺が修行を付けてもらっていた師父の一番弟子だったんだ」
「泰斗流の……通りで強い訳だ」
俺はジンさんからヴァルターが元泰斗流の門下生だと話を聞いた。
「しかしあいつの使う技に泰斗流では見た事もない物があったのですが、何か知りませんか?」
「恐らくだがヴァルターは泰斗流以外の武術も取り入れて独自の武を極めたのだろう、あいつは格闘のセンスは誰よりもずば抜けていたからな」
俺は前にジンさんに稽古を付けてもらったがその際に泰斗流の技も見せてもらった。だがヴァルターは俺が見た事の無い技を使ってきたので俺の知らない泰斗流の技かと思ったが違うようだ。
ジンさんに技の詳細を聞いておけば次に奴と戦う時に助けになると思ったのだが、そんなに上手くはいかないよな。
「……ジンさん、お願いがあります。俺に稽古を付けてくれませんか?以前のようなものじゃなくてもっと実戦的なものをお願いします」
「張り切るのは良いがまずは体を治してからだ、ミリアム先生が傷の治りが普通より早いと驚いていたがそれでも大きなダメージを負った事に変わりないからな」
ジンさんが呆れた様子でそう話す。俺の体は普通の人より傷の治りが早いらしい、これは元々こうだったのではなくD∴G教団の人体実験をされたことで得た副産物だと俺は思っている。だってあいつらのアジトから逃げてからこんな体質になったからだ、間違いないだろう。
「そういえば姉弟子はいないんですか?アガットさんの姿も見えませんが……」
「アガットとアネラスさんはあの杭が刺さっていた場所の調査をしてるわ」
俺はここに来ていない仲間の事を聞くとエス
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