第81話 絆を深める
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テルが教えてくれた。
あの後ヴァルターは撤退したようでその場には七耀脈を活性化させるという杭だけが残されたらしい。その杭はラッセル博士の元に送られたようでブルブランが実験に使っていた投影装置と共に解析を進めるらしい。
それからみんなと話をしてオリビエさんがリュートを引きそうになったのでエステルが耳を引っ張って連れて行った。他のメンバーもフィーとラウラを残してホテルに戻っていった。
「そういえばフィー達は特異点にいたんだよな?何があったんだ?」
「それがね……」
そしてフィーは特異点で何があったのかを話してくれた。
特異点を支配していた魔獣を倒すと源泉が湧く洞窟の入り口に立っていたらしい、そしてギルドに報告しに紅葉亭へ向かい導力通信機で連絡すると丁度ジンさんが来ていたらしく応援に駆けつけてくれたようだ。
「でも入り口は高温の蒸気に阻まれていて入れなかったんじゃなかったか?」
「うん、そうだよ。でも突然水蒸気が収まって中に入れるようになったの」
「もしかするとヴァルターに吹っ飛ばされた時あの杭に当たって杭が地面から外れたな、そのおかげかもしれない」
俺はヴァルターとの戦闘中に杭に当たったことを思い出した。偶然とはいえあれが無かったから殺されていたな、運が良かった。
「フィーは一目散にそなたの元に向かったのだ、よほど心配だったのだろうな」
「そうか、フィーのお蔭で殺されずに済んだ。ありがとうな、フィー」
俺はラウラからそう聞いてフィーにお礼を言った。でもフィーは複雑そうな表情になる。
「どうしたんだ、フィー?」
「……わたしは何も出来ていないよ、今回はたまたま運が良かっただけ。わたしはリィンを守るって誓ったのに結局肝心な時は側にいられなかった……わたし、役立たずだったよね」
「フィー……」
フィーはそう言って落ち込んでしまった。思う事があったのかラウラも同じような状態になる。
「……フィー、ラウラ、俺の近くに来てくれないか」
「えっ?」
「いいから、ほら」
「ご、強引だぞ……」
俺はフィーとラウラの腕を引っ張って側に寄せた。そして……
「んんっ!?」
「んっ……!」
俺は自分から二人の唇を奪った。
「リ、リィン……?」
「なにを……」
「俺、決めたよ。二人を俺の嫁にする」
「えっ……」
俺の突然の告白に二人は目を丸くした。
「俺は二人に告白されてずっと考えていたんだ、どっちの想いを受け取るかって……でも考えても考えても選べなかった、そんな中途半端な自分が情けなくて二人の好意に甘えてばかりで心底無様だった」
「リィン……」
「でもヴァルター
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