最終話 物語、大団円を迎えるのことその八
[8]前話
「二つの世界が救われたな」
「その通りよ」
「一件落着よ」
「しかしだな」
だがそれでもだとだ。華陀はここで顔を引き締めさせた。
「それでも他の世界はか」
「于吉や左慈は滅んではいないわ」
「彼等の魂は不滅よ」
あの二人の話をするのだった。
「肉体は滅んでもその魂はね」
「例え何があっても滅ばないから」
「そうだな。そうした意味で戦いはな」
「終わらないわ」
「あたし達の戦いはね」
「わかった」
二人の話を聞きだ。華陀は今度は。
確かな顔で頷きだ。そして言うのだった。
「なら俺も行こう」
「ダーリンと一緒なら例えどの世界に行ってもね」
「戦い抜けるわよ」
怪物達は身体をくねくねとさせてきた。
「あたし達も生涯の伴侶を得たのね」
「こんなことになるなんて。この世界に来てよかったわ」
「ああ、全くだ」
その通りだとだ。華陀も二人に微笑んで応える。
「俺は二人と会う運命だったんだな」
「そしてね。あらゆる世界を護って戦う」
「並行世界の管理者になる運命だったのよ」
「ならだ」
二人の話を聞いてだ。微笑みのまま言う華陀だった。
「俺達は登るんだな」
「そうよ、永遠に登るのよ」
「果てがあるかどうかわからないけれど」
だがそれでもだとだ。二人も応える。
「あたし達三人で登りましょう」
「諦めることなくね」
その彼等が言っていく。
「この果てしない坂を」
「今登りはじめましょう」
何時の間にかだ。三人の前には石畳の坂道が出て来ていた。それは蛇の様にうねり上に続いている。果たして何処まであるのか。先は見えなくなっている。
だが彼等はその坂道に今足を踏み出した。そしてだった。
「俺達は今登りはじめたんだな」
「そう、今ね」
「ようやくはじまったのよ」
こう話してだった。
「あたし達の果てしない坂が」
「漢坂がね」
「最後まで登ってやる!」
華陀は駆けはじめた。その坂道を。
「俺達はまだ登りはじめただけだがな。この果てしない漢坂を」
「ええ、それでも最後の最後にはね」
「頂点に辿り着いてやる!その果てに!」
こう言ってだ。彼等は漢坂を登るのだった。長い戦いが終わり彼等は今彼等の道を見つけ駆けだしたのである。
最終話 完
恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS 完
2012・1・20
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ