最終話 物語、大団円を迎えるのことその七
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「これで大きくな」
「この世界に来てよかったな」
ヘリュンも言う。
「多くのものを見てだ」
「多くのものを得られたからな」
「よかった。本当にな」
微笑んで話すヘリュンだった。
獅子王はだ。こんなことをだ。ゴードンに話していた。
「私はこれからはだ」
「もう獅子王としてでなく」
「私として生きる」
「そうするんだね。それじゃあ」
「また会おう」
微笑み。そして言う獅子王だった。
「今度会う時は獅子王じゃなくて」
「私本来の名前と姿でな」
「もとの世界でね」
彼もまたしがらみを断ち切った。そうしたのである。
関羽は酒を飲み微笑んでいた。そこにだ。
劉備が来た。彼女は曹操と共にいる。まずは曹操が関羽に言った。
「もうね。私はね」
「曹操殿はとは?」
「貴女のことは諦めるわ」
少し残念な顔で言ったのだった。
「貴女は劉備の妹だからね」
「だからですか」
「ええ。貴女達の絆には入られないから」
それでだというのだ。
「もうね二人で幸せにね」
「過ごされよというのですか」
「そうしなさい。私は私で春蘭や秋蘭達がいるから」
こう言ったのだった。しかしだ。
またしても残念そうにだ。言った言葉は。
「凛も美羽に取られたし。困ったわね」
「ううむ、御主も大変じゃのう」
何進が肉を食べながら来て言って来た。
「折角手に入れたおなごをのう」
「これも運命よ。ところで将軍は」
「わらわか?」
「もう肉屋に戻られるのでしょうか」
かつて大将軍だったので敬意を払う曹操だった。
「やはりそうされるのですか」
「うむ、わらわはやはりそれが一番性に合ってるからのう」
それでだと言う何進だった。
「だからじゃ。官は退きじゃ」
「そのうえで」
「肉屋に専念するとするわ」
こう話してなのだった。何進も己の道を歩むことにした。
そして今度は劉備がだ。笑顔で関羽に話した。
「先程帝に言われたのよ」
「帝にですか」
「ええ。落ち着いたらね」
「その時にですか」
「私を皇帝に推挙して下さるそうよ」
「何と、義姉上が皇帝にですか」
その話を聞いてだ。関羽もだ。
思わず驚きの声をあげた。そのうえで義姉に問うた。
「それはまた素晴らしいことです」
「そうよね。夢みたいよね」
「はい、そうなられるとは」
「帝は禅譲、じゃないわね」
同じ劉氏だからだ。そうはならなかった。
「位を譲って頂くのよ」
「そして義姉上がこれからは」
「この国を平和に治めていくわ」
「では及ばずながら私も」
関羽はすぐにだ。右手の平に左手の拳を合わせて言ってきた。
「義姉上の為に」
「鈴々もなのだ」
何時の間にか張飛も来た。そのうえでだ。
劉備に対して誓う。
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