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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
ゴッドシード・アルドロン
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しない。近くに倒れている桜髪の青年の元に歩み寄ると、その頭部をチョップする。

「うがっ!!なんだ!!」

青年が意識を取り戻したのを確認すると、彼は自身に気が付いていないその人物に背を向け歩きながら声をかける。

「この場から離れろ、命が惜しければな」
「あぁ!?誰だお前!!」

まだふらついている様子の青年に一瞥もくれることなく、一言も答えることもせずその場からいなくなる男。取り残された青年は頭をかきながら、周囲を見渡していた。

「あれ!?ティオスは!?シリルもどこ行った!?」

先ほどまで敵対していた存在と共に戦っていた少年がいないことに気が付いた彼は二人の名前を叫びながら、駆け回るのだった。
















シリルside

急に足元を掬われたかと思ったところ、俺は見渡す限り木々に覆われている空間にいた。

「何ここ?アルドロンのお腹の中?」

巨大なドラゴンの中なだけあってかなりこの空間は広い。すると、突然周囲に声が響いてきた。

「五つのオーブには五人の守護神が宿っていた。ウルフェンは人々の心を読み、メトロは力の大群を持ち、ギアーズは計算による策士、ドゥームは人々に死をもたらす」

どこから聞こえているのかわからず周囲を見渡すが、誰の姿も見えない。もしかしてアルドロンが俺に心の中で語りかけているのか?

「今、その一角が崩された。ゆえに完全なる目覚めのために貴様を吸収することにした」
「あ?何言ってんの?」

ずいぶんとナメられた発言に苛立ちを募らせる。すると、目の前の木の一部が縦に割れたかと思うと、中から先ほど現れたような人の形の木が・・・王冠を被った姿のそれが現れる。

「ゴッドシード・アルドロン。ワシはアルドロンの脳、ゴッドシードの長でありアルドロンなり。ワシの意志を持って貴様をアルドロンの水分として吸収する」

先ほど天海が倒したのはこのアルドロンの力のうちの一人だったらしい。それが失われたことでアルドロンは力をわずかながらに失ったことから、それを取り戻したいと考えた。
木に必要なのは栄養と水分。その水分として水の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)である俺が最適というわけか。

「でも、判断ミスったんじゃないですか?」

思わず俺はそう呟いていた。その言葉の意味がわからなかったのか、アルドロンの表情が少し変わったような気がする。

「大きいままの方が、俺の吸収はやりやすかったんじゃないですか?」

ナツさんの攻撃でもアルドロンにはわずかなダメージしか与えられてないとウルフェンが言っていた。それならその大きな姿のまま、俺を捉えた方が有利に働いたはずなのに、こいつはわざわざ俺たちに近いサイズとなって襲ってきた。
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