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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
ゴッドシード・アルドロン
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一年前の戦いで俺たちの前に立ち塞がった最大の脅威の一人であるその人は、倒れているティオスを見下ろしながら冷静に口を開く。

「その程度でティオスを語るな。お前程度の力で再現できるほど、あいつは弱くない」

髪には白髪が混じっており一年前よりも老けた印象を与える。ただ、その白髪の増え方はたった一年のものとは思えないほどで、彼に何があったのか心配になってしまう。

「私程度・・・だと?」
「そうだ。貴様のような木屑では、あいつになることなど不可能だ」

この人はティオスに対して相当な思い入れがあることはよくわかる。しかし彼のことは記憶にこのティオスは知らないのか、彼の言葉に憤りを露にしながら立ち上がる。

「たかが食物の分際で・・・神に抗うなど・・・」

完全に怒りを抑えられなくなっているティオス・・・いや、ティオスになっているウルフェンは彼が持っている魔力を全て解放したように見える。それにより先程よりもさらに魔力が上がっており、俺は鳥肌が立った。

「シリル」

それなのに、真正面でそんな存在から殺意を送られているはずの彼は冷静そのもので俺へと声をかける。

「よく見てろ」
「え?」
「これがお前が目指すべき戦い方だ」

そう言った天海は速攻を仕掛ける。普段の彼なら敵の動きを見極めながら動くはずなのに、それとは異なる戦い方に違和感を覚えた。

「竜魔神の・・・怒号!!」

そんな彼目掛けて無慈悲に放たれるブレス。天海の速度は相当早いため相対的にティオスの攻撃力がより上がってしまう。これではさすがにダメだと思っていたところ・・・

「やはり弱いな」

天海は片手でそれを受け止めると、それによってできた魔力の合間を直進していく。

「何!?」

まるで重戦車のように進んでいく彼に驚いているティオスだが、そんな余裕は一切ない。瞬く間に間合いに入った天海は首もとへと蹴りを入れ、それを受けた青年は咳き込む。

「この・・・」

しかしそれで怯むような奴じゃない。整っていない呼吸のまま彼は天海の脇腹へと手刀を放つが、彼はそれに肘打ちを放ち地面へとティオスの手を叩き落とす。

「すごい・・・」

思わずそんな言葉が漏れ出た。俺とナツさんが二人がかりで戦っても歯が叩かなかったのに、この人は一人で・・・それも圧倒してみせている。でも・・・

「何を目指せばいいのかわからない・・・」

よく見てろとは言われたけど彼の能力が高すぎて全く参考にならない。何を持って彼は俺にヒントを与えてくれようとしているのかわからずにいると、彼はこちらに一瞬視線を向け、口を開く。

「その目を使ってよく見てろ」
「え?いや・・・でも・・・」

あの戦いからこの目に入れた魔水晶(ラクリマ)
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