ゴッドシード・アルドロン
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の姿を見て苛立ちを隠せないヨザイネ。そんな彼女の肩に手を乗せると、二人はその場から一瞬で姿を消した。
「シリルとナツで勝てない相手・・・どんな奴なんだ?」
残された青年は相手の検討がつかず腕組みをしている。しかしその思考が無駄であることに気が付いた彼は、すぐに別のことへと意識を向ける。
「今度こそ何か食ってくるかな」
二人の心配などする様子もなく部屋から飛び出していく青年。彼は会議により疲れた身体に癒しを与えるべく、まずはその腹を満たすことにしたのだった。
ヨザイネの魔法により別の場所へとやってきた二人。そのうちの一人、黒装束の男は周囲を見回し状況を確認する。
「ずいぶんと荒んでいるが、天使の仕業ではないようだな」
「うん。ただ、詳しくは言うことができないのよねぇ」
「構わん、興味もない」
崩壊している街を見ながらも関心のない男は少女に言われるがままに少女の指差す方向を見る。そこには懸命に戦う水色の髪の少年とすでに戦闘不能に陥っている桜髪の青年の姿が見える。
「何・・・」
しかし彼の目はそんな二人からすぐに外れた。その目に映るのは自身がよく知る青年が、笑いながら少年を蹂躙する姿。
「相手はどうやら変身系の魔法が使えるみたいなの。それでティオスになってるせいで手も足も出ない状況よ」
圧倒的な力の差になす統べなくやられていく少年とそれを平然と行う青年。その人物に一瞬頬が緩んだ男だったが、何かに気が付いたらしく、暗い表情へと戻った。
「あと何分いられるんだ?」
「たぶん10分ないくらいかな?本当は手伝いたいけど私じゃティオスになんて歯が立たないし」
そう言葉を発する少女の身体が震えていることに気が付いた。それを見た男は少女の頭を叩く。
「そういえば、あいつは目がいいんだったよな?」
「あいつって・・・シリルのこと?」
無言で頷く彼にそうよと答えるヨザイネ。それを聞いた男は今度は不敵な笑みを浮かべていた。
「5分で終わらせてくる、少し待ってろ」
「え!?5分!?」
それだけ言って飛び出そうとした男の腕を掴んで引き止める。それがなぜなのかわからなかった彼は目を細めながら振り向いた。
「5分は無理でしょ!?あいつとあなたはほぼ互角なのに・・・」
「そうだな、俺とティオスは互角だ」
「だったら・・・」
「ただ、あれはティオスじゃない。ただの木屑だ」
そう言った彼はどこか寂しそうな表情を浮かべ、地面に伏せている少年にトドメを刺そうとしている存在を倒すために飛び出していった。
シリルside
「天海・・・さん?
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ