第八幕その三
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「熱い冷たいもね」
「感じないから」
「だからね」
「今もなのね」
「楽しいけれど」
それでもというのです。
「そうしたことは感じないよ」
「そうよね、貴方は」
「それは僕も同じなんだよね」
「僕もね」
かかしと樵も言ってきました、二人は川の中に入らないで川辺の石場で石を積み上げてそのうえで遊んでいます。
「そうした身体だからね」
「感じることはないよ」
「暑い寒い熱い冷たい」
「そうしたことは感じないよ」
「だから燃えたり凍ったりしないとね」
「普通に動けるよ」
「それはとても便利だよね」
ジャックも言います。
「僕達は満足しているよ」
「とてもね」
「そうして過ごしているね」
「そうだよね、いい身体だよ」
ジャックは笑って言いました。
「食べることも飲むことも必要なくて」
「眠ることも必要ないし」
「休まなくてもいい」
「ずっと動けるしね」
「そうなのね。感じるってとても気持ちいい時があるわよ」
恵梨香は自分達の身体のお話をしました。
「暑い時に冷たいもの、寒い時に熱いもの」
「それでかいてきになるね」
「美味しいものを飲んで食べてね」
そうしてというのです。
「ぐっすり寝る」
「それで休む」
「そうしたらね。けれど貴方達は」
「この身体で満足しているよ」
「幸せね」
「最高にね」
「私達が幸せと感じるのと同じね」
その身体で生きていてというのです。
「要するに」
「それぞれ幸せだね」
「それぞれの身体でね」
「そういうことだね、じゃあね」
ジャックは恵梨香と一緒に遊びつつ言いました、小川の中の石の中でこれはというものを探して拾っています。
「今もね」
「こうしてよね」
「お互いのそれぞれの身体でね」
「遊んでね」
「楽しんでいこうね」
「そうしましょう」
恵梨香はジャックが取った石を見ました、とても青くて丸い素敵な石でした。そうした石達を拾ってでした。
川辺に上がってみます、するとその中にです。
紫色で奇麗な球形の掌に乗る位の大きさの石がありました、オズマはその石を見てこれはというお顔になって言いました。
「この石は誰が拾ったのかしら」
「僕だよ」
ジャックが右手を少し上げて名乗り出ました。
「さっき拾ったんだ」
「貴方がなのね」
「物凄く奇麗だったからね」
「それでいいと思ってなのね」
「拾ったんだ」
「確かにいい石ね」
オズマはその石をまじまじと見つつあらためて言いました。
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