第十四話 添星その十三
[8]前話 [2]次話
「本当に」
「僕はいいと思う様になったけれど」
「そうなの、私は特に」
「思わないんだ」
「特に」
こう??に答えた。
「楽しくとも何ともないわ」
「そうなんだ」
「勉強もスポーツも退屈で」
それでというのだ。
「思うところはね」
「何もないんだ」
「そうなの」
これといってというのだ。
「本当にね」
「そうなんだ」
「だから貴方のお話を聞いても」
それでもというのだ。
「わからないわ」
「僕と違って」
「そうなのよ」
「そうなんだね」
「喜びとか悲しみとか苦しみとか」
そうした感情もというのだ。
「これといってね」
「感じないんだ」
「これまでの貴方と同じかしら」
無表情、能面の様なそれで話した。
「私は」
「僕は今は違うのかな」
「ええ、明らかにね」
「感情が出ているんだ」
「そうなっているわ」
「だとしたら嬉しいかな」
「そう思うこと自体がよ」
嬉しいと、というのだ。
「私にはないわ、そして身に着けようともね」
「思わないんだ」
「一切ね、感情は必要かしら」
人間にはというのだ。
「果たして。そして人間も」
「必要か」
「世界に。人間だけが他の命を奪うから」
こうも言うのだった。
「地球を汚して壊すから」
「いらないんだ」
「そうも思うわ」
「そうしたこともわかるわ、人間を知ってこそね」
庚がまた言ってきた。
「地の龍として動けるということもね」
「そうなるのね」
「ええ、知っていって」
これからというのだ。
「そうしてね」
「そうはならないと思うわ」
「今はそう言っていいわ」
庚は笑顔で話した、そしてだった。
封真の試合を観ていった、試合は彼の活躍で勝った。それが終わってからだった。
封真は仲間達と共にロッカーに終わって着替えようとするがその前にトイレに行った。それで一人になりあらためてロッカーに向かうと。
そこで庚達が前にいた、彼はロッカーに向かう途中で彼等と会ったが。
即座にだ、理解した顔になって言った。
「貴方達が」
「ええ、わかるわね」
「地の龍の」
「そうよ」
庚は封真に妖しく微笑んで答えた。
「私達こそがね、私は地の龍ではないけれど」
「束ねる立場ですか」
「庚よ。覚えておいて」
「麒飼遊人です」
次に遊人が名乗った、彼も微笑んでいる。
「宜しくお願いします」
「八頭司颯姫」
颯姫は無表情だった。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ