第四章
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「それに死ぬのも怖くて」
「出来なかったね」
「その時人に死ねとか言ったり殺そうとすることがどんなことかわかりました」
「そのこともわかったね」
「はい」
実際にというのだ。
「そうなりました」
「そうして反省もしていたら」
「そして二度としないなら」
「きっとね」
千人のうち九百九十九人が諦めてもというのだ。
「誰かが助けてくれるよ」
「そうなんですね」
「そうだよ、そのことも覚えておくんだよ」
「わかりました」
「君が反省しても君がしたことは消えないけれど」
それでもともだ、東は話した。
「生きていくんだよ、そして悪いことはね」
「いじめはですね」
「二度としないことだよ」
「そうします」
「そのうえでまた歩いていくんだよ」
「はい、そうしていきます」
瑛子も約束した、そしてだった。
瑛子はまた自分で歩く様になった、そして。
「凄くいい子になったそうですよ」
「そうなんだね」
東は自分が勤務している病院で若い男性の看護師の話を聞いて笑顔になった。
「いじめをしない」
「したことは皆覚えていて知っていて」
「言ってるね」
「ですがいじめていた娘とご家族にも謝罪して」
そうもしてというのだ。
「今はです」
「凄くだね」
「反省して」
過去いじめをしていたことをというのだ。
「そのうえで、です」
「いい娘になったんだね」
「そうなりました」
こう東に話すのだった。
「この前彼女を見たら凄く澄んだいい笑顔で周りもです」
「そう言ってたんだね」
「お友達も何人かいて」
そうもなってというのだ。
「ご両親もまたあの娘と距離を縮めています」
「よかったよ、許されないことをしても」
それでもとだ、東は看護師に応えて話した。
「それがぎりぎりならね」
「人としてですね」
「救われるべきだよ」
「本当にそうですね」
「だからね」
「先生も手術のお話を受けられましたね」
「そして手術の内容を論文にしてね」
そうもしてというのだ。
「そのうえでね」
「発表されましたね」
「そうだったよ、しかしね」
東は遠くを見る顔になった、そのうえで言った。
「千人のうち九百九十九人が見捨てても」
「それでもですね」
「一人が見捨てないで」
そしてというのだ。
「助けてもいいよ、自業自得でもね」
「心から反省していたら」
「救われるべきだよ、じゃあこれからも」
「先生はですね」
「そうした人を助けられたら嬉しいよ」
医師としてとだ、こう言ってだった。
東は医師として働き続けた、そのうえで困っている人達中には自業自得の結果である人達も助けていった。そうしていったのだった。
自業自得の後で 完
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