やっぱり僕は歌が好き 第二十楽章「何かを隠す為に絵を飾ってるのかもね」
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たる人物が居たから、それで分かったのよ」
「え、そうなの……アイリの知り合いの人だったのね!? 私は会った事あるかしら?」
世の中狭いわね。
「さぁ……私もピエが誰と知り合いなのかを完璧に把握してるワケじゃぁないから」
それもそうよね……
私とアイリの共通の知人は少ないものね。
「ぞ、存外君は性格が悪いんだな」
「あら、お褒めに与り光栄ですわ宮廷画家殿」
「褒めてはないなぁ……どちらかというと、宰相閣下と同類って意味だから」
「さ、最悪な屈辱! アンタ股間を蹴り上げるわよ!」
「まあまあ落ち着いて。性格なんて善し悪ししか無いんだから、良い性格じゃ無ければ結局は同類になるよ(笑)」
「そうですわね社長。あとは性格の悪さの度合いで差が出るだけですわ。因みに私から見たら社長も宰相閣下とは同レベルだと思いますわよ」
「な、中々言うわねリューナさん……」
「失礼アイリーンさん。私も社長の事は尊敬しておりますが、真実をねじ曲げるつもりはございませんわよ」
はて?
アイリの性格が悪いのは同意するが、今の会話でどの辺に性格の悪さが垣間見えたのだろうか?
私は不思議に思いながら皆の会話を聞きつつ、コーヒーの最後の一口を飲み干した。
「さて。ピエッサちゃんがコーヒーを飲み終えた様だし、今日の本題に入ろうか」
え、私待ちだったの!?
確かに皆は飲み終えていたわ。
「じゃぁここの後片付けは後回しにして、先刻搬入した機材がある2階へ行こう」
そう言うと社長は立ち上がり、私とアイリに視線を向け、2階へ行く様に促す。
「リューナとラッセンは如何する? 正直もう用は無いけど見ていく?」
「そうですわね。ご依頼の楽器を製作した者としましては、本職の方々の奏でる音色を聴いてみたいですわ」
「そうですね、俺も全く音を聞いた事が無いですから、是非とも聴いてみたいです」
如何やらやっぱり新しい楽器の様だ。
制作者と運搬者も聴いてみたいらしく、この後もここに残る意思を示した。
「では……」
社長は優雅な動作で私達を従えて2階へと上がる。
この建物に入るのが初めてなのだから当然だが、2階や3階が如何なっているのか判らなくて何だかワクワクするわ。
ピエッサSIDE END
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