やっぱり僕は歌が好き 第二十楽章「何かを隠す為に絵を飾ってるのかもね」
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間にアイリは2人の分のコーヒーを入れに、奥の給湯室(だと思われる)に行き、支度をしている。
私だけ座っていて、ちょっと気まずいわ。
暫くすると2階から会話しながら降りてくる気配を感じる。
ちょうどアイリもコーヒーを用意し、2人が寛げる状態にした時だった。
だが入室してきたのは3人だった……
リューナさん、ラッセル君……そして社長!
気を抜いていて私もアイリもマッタリしてたから、慌てて立ち上がって社長を迎える。
更にアイリは社長の分のコーヒーを入れに給湯室へ。
小声で社長が「僕の分はいいのに……」と呟いたが、直前に2人分を入れてた為、直ぐに用意が出来てしまい爽やかに「ありがとう」と言って席に座った。
スマートでカッコイイ。
少しの間雑談する事となり、リューナさんが壁に掛かっている絵を指差し「あの絵はラッセルが描いたのかしら?」と尋ねる。
「ああ、陛……社長から『何か部屋が明るくなる絵を描いて』と依頼があって描かせてもらったんだ」
確かに結構な美人画で、何となくだけど、部屋の雰囲気を明るくしてる気がする……
でも何であの場所なのだろうか?
直ぐ隣には大きな置き時計が配置してあって、見る位置によっては絵の邪魔になるのだけど……
「あの美女は誰なのかしら?」
彼女という立場としては描かれている美人が誰なのか気になるのだろうか?
美術について無知な私だが、マジマジと眺めてしまう。
「新たな技法の練習として、色んな美人の特徴を混ぜて描いたから、誰か特定の人物じゃないよ」
ふ〜ん……そんな技法があるのね。
ラッセル君って意外と凄い画家なのね。
「因みに社長は、あの絵にお幾ら出したんですか?」
え!? 社長からお金取ったの?
無償で良いじゃない!
「ご……5万Gもくれた」
5万G!?
あの絵がそんなに高額なの!?
「婚約祝いだよ」
まぁおめでたいわ。
社長の一言に私は本心でそう思った。
だけどアイリは違う事を思ったらしく……
「アンタ彼女さんのお父上にはご挨拶したの?」
と、私達他人が訊く必要の無いであろう質問をする。
「し、した……けど、アイリーンさんはリューナの……その……お父上の事をご存じなのですか?」
いや、知るわけないでしょう。
アイリはリューナちゃんと、卒業式の打ち合わせの時に初めて会ったみたいだし。
「存じ上げてるわよ」
何で!?
「そ、それはリューナ……もしくはご本人から聞いたのですか?」
「違うわよ。リューナさんの話を聞いて思い当
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