第80話 鬼気解放
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明らかにいら立ちを込めた声色に変化した。
「てめぇは知ってるはずだ、ジン。俺がどんな道を選んだのかをな」
「……」
「ふざけた事を抜かすと……殺すぞ?」
リィンに付けられた傷から血が噴き出した。でもそれ以上に怒りの感情が闘気と共にあふれ出ていた。
「……だったらあんたは知ってるのか?ツァイスの町にキリカがいる事を」
「っ!」
キリカの名前を聞いたヴァルターの闘気が少しだけ小さくなった。
「2年ほど前からツァイスの遊撃士支部で働いているんだ、どうやらそれまでは大陸各地を回っていたらしい。キリカはあんたの事を今でも……」
「チッ……衰えたぜ」
ヴァルターはそう言うと杭に設置されていたゴスペルを抜き取って洞窟の上にあった穴に飛び上がった。
「おい、ヴァルター!結社の事は兎も角キリカはずっとあんたを……!!」
「うるせぇよ、ジン。アイツとはもう終わった仲だ」
ヴァルターはこっちを見下ろすとわたしに声をかけてきた。
「おいガキ、リィンに言っておけ。次に殺りあう時はその力使いこなせるようになっておけとな」
「気安くリィンの名前を呼ばないで……!」
わたしはヴァルターを睨みつけるが奴はそんなもの気にもしないで去っていった。
「逃げたわ!追いかけないと……!」
「いや止せ。ヴァルターは身体能力においては泰斗の弟子の中でも随一だった、追いつけはしない。それよりもリィンの方が先だ」
「フィー!リィン君は大丈夫!?」
アネラスはヴァルターを追おうとするがジンに止められた。アイツ凄く強そうだった、下手に追いかけても負傷してるわたし達では危険だし今はリィンの方が先だ。
エステルは駆け寄ってくるがわたしは首を縦に振った。
「傷は回復させた。でも直ぐにミリアムの所に連れて行った方が良い」
「なら急いでツァイスに向かうぞ!」
ジンがリィンを担いで外に向かっていく。わたしはアガットやアネラスに後の事を任せてジンの後を追った。
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