最強の存在
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しをあっさりと退けた人物に対し、彼は目を細める。
「この匂い・・・やっぱり・・・」
この間評議院にいった時に感じた匂い。微かなものだったから気のせいかとも思ったけど、この人が近くに来たらすぐに誰かわかる懐かしい匂い。
「笑わせるなよ・・・」
俺に跨がる格好になっているティオスの腹部に目にも止まらぬ蹴りをその人は放った。それに反応することもできなかった彼は驚愕の表情を見せている。
「なっ・・・」
どれだけの人間が束になっても勝つことができないほどの魔力を持っているはずのティオス。そんな存在になっているはずなのに今の一撃に反応することすらできなかったことが彼からすれば不思議で仕方がなかった。
「その程度の魔力で・・・」
魔力を一切感じさせない黒装束の人物。その人物が顔を隠す布をさらに目深く被り直したことに、腹を立てたティオスは魔力を高めて突進する。
「ゴッドシードに抗うか!!」
神と称されるドラゴンの一部であるためか、ただの人間に一撃を受けたことが相当刺激になったようで怒り心頭で突進する彼を、その人は俺の前に立ち受け止めると、そのまま逃げられないように抱え込む。
「せっかくお前とやれると思っていたのに、がっかりだ」
そのまま後方へとジャンプした彼はバックドロップで相手を地面へと叩き付ける。それも全体重を乗せたその一撃はあまりにも重たく、ティオスはすぐに起き上がることができない。
それに対し起き上がったその人は、余裕綽々だった。そして今の攻撃で顔を隠していた布が落ちてしまい、姿を現したその人物を見て背筋が凍るのを感じつつも、どこか安堵したのを良く覚えてる。
「この程度でティオスだと?笑わせるなよ」
天下無双天海。冷たい眼差しで大の字になっている存在を見ながら彼はそう言い放った彼を見て俺は思わず笑みを浮かべてしまったのだった。
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