最強の存在
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第三者side
「うあ!!」
「カナさん!!」
シリルたちがティオスになったウルフェンと対峙している頃、他のところでも大量のウルフェンが発生していた。
「読んだぞ、お前がもっとも強大だと思う者の力を」
それと共に変化していく木の人間。そこから現れたのは、心を読まれたカナの父であるギルダーツだった。
「ギルダーツ!?」
「なんで親父の姿に!?」
ギルダーツの姿になった敵を見て困惑していると、彼が使う魔法と同じ魔法で攻撃してきたことにさらに驚かされる。さらにはその木の人間が大量に現れているため、彼らはそれらに捕まらないように逃げていた。
シリルside
俺たちを見据えているティオスは余裕の現れなのか、顎を擦りながら周囲を見回している。
「残念だけど、お前たちじゃ相手にならないなぁ」
その挑発を受けて真っ先に動いたのはナツさん。彼は炎を両腕に纏わせると一直線に突進していく。
「そう言ってられるのも今だけだぁ!!」
以前よりも魔力が上がっている・・・いや、どこか炎の質が違う彼の拳。威力も今までの彼を遥かに越えているはずのそれを、ティオスは片手で受け止めた。
「へぇ、やるじゃん」
そう言って彼は掴んだ青年を投げ飛ばす。その際彼の足元に注意が向いていないのを俺は見逃さなかった。
「水竜の・・・」
気付かれないように足元へと入り込んだ俺は口に魔力を溜める。ナツさんに視線が向いていたおかげで俺への警戒は皆無。それを利用して攻撃に出たが・・・
「見えてるよ、シリル」
「!!」
気が付いていないと思っていたその目は確実に俺のことを捉えていた。しかし相手は攻撃の体勢に入っていない。それなら俺の方が先に決まるはず。
「咆−−−」
「ほっ」
そう思いそのままブレスを放とうとしたが、彼の蹴りが顎に直撃し魔法を発動することができなかった。さらに隙ができた俺に対し、ティオスは追撃の回し蹴りを放ってくる。
「がっ!!」
「シリル!!」
「来るな!!」
相変わらずの動きの速さによって蹴り飛ばされた俺は地面を転がる。ウェンディが心配してこちらに駆け寄って来ようとするが、それを制止する。
「ウェンディは先に行ってて」
「でも・・・」
「すぐ追いかけるから」
本当は体力がほとんど残ってないウェンディに白魔導士を任せるのは大変だとは思うけど、ここもいつまで持つかわからないし、セシリーたちの体力が戻ったら翼を使って逃げてもらえばなんとかできるはず。それを理解してくれたのか、彼女は白魔導士を背負ってこの場から逃げていく。
「相変わらず優しいねぇ、それがお前の弱さなんだ
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