第三章
[8]前話
「一体」
「何処って」
「ああ、旅行何処に行くんだ」
こう言うのだった。
「それで」
「舞鶴よ」
真礼はすぐに答えた。
「あそこに行くわ」
「わかった、じゃあな」
「まさかと思うけれど」
「お前もわかるだろ」
「それじゃあ」
「俺も未練あったんだ」
高田も正直に言った、真礼を正面から見据えて。
「それじゃあな」
「寄りを戻して」
「また付き合おうな、今度はな」
「普通の日はこうして二人で汗を流して」
「連休はな」
この時はというと。
「二人でな」
「旅行に行くのね」
「そうしような、お互いの趣味を言い合うんじゃなくてな」
前はそうだったがというのだ。
「これからはな」
「お互いの趣味を一緒にしていく」
「そうしような、じゃあな」
「今日もね」
「ジムで一緒に汗流そうな」
「それじゃあね」
にこりと笑ってだった。
真礼は自分から高田を抱き締めた、すると高田も抱き締め返した。この時二人の周りに誰もいなかったのでこの時は噂にならなかったが。
暫く経ってだ、二人はまた噂になった。
「高田さんと宮家さんまた付き合ってるわね」
「ええ、ジムでも旅行でも一緒よね」
「別れたと思ったら」
「また一緒になったわね」
「というか前より仲いいわね」
社内のOL達はこう話した。
「いつも一緒でね」
「前は休日の過ごし方違ってて」
「どっちも絶対に自分達の趣味満喫する、だったけれど」
「それが変わってね」
「今ではね」
「お互いの趣味を一緒に楽しむ」
「そうなったわね」
寄りを戻してからはというのだ。
「すると和気藹々って感じでね」
「随分和やかになったわね」
「あのまま結婚しそうな位よ」
「前は付き合っていても隙間あったのね」
「今は全く違うわね」
彼女達の言葉の通りにだった。
高田と真礼は前に付き合っていた時とは違いお互いの趣味を一緒に楽しむ様になった、すると二人共相手の趣味も好きになり。
それで仲はどんどん縮まっていってだった。
二人は結婚した、そして子供も出来てそれからもずっと一緒にいた。そんな二人を見てその過去を知らない者は誰も二人が一度別れたとは思わなかった。
寄りを戻したくて 完
2023・4・26
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