第二章
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「前は」
「ああ、そうだったな」
「けれど別れたわね」
「お互い休日は違うことしてたしな」
「仕事が終わってもだったわね」
「お前ジム行かなかったしな」
交際していた時はとだ、高田も答えた。
「それで俺も連休はな」
「別れたけれど忘れられないのよ」
顔を赤くさせてだった、真礼は言った。
「あなたのことが、それでね」
「それってまさか」
「それもわかるでしょ」
「まさかって言ったけれどな」
「あんたもわかったでしょ」
「そりゃな、まさかって思ってな」
それでというのだ。
「そうだったけれどな」
「そういうことよ、未練があったって言えばね」
「あったんだな」
「喧嘩別れだったけれど」
視線を右に逸らして右の髪の毛を右手で払っての言葉だ。
「やっぱりあんたが好きなのよ」
「そうなんだな」
「だからジムに通って一緒の時間を過ごして」
「寄りをか」
「戻そうって思ってよ」
「ジムに通う様になったんだな」
「あんたが通ってるね」
まさにそのジムにというのだ。
「そうしたのよ、連休の時は旅行に行ってたけれど」
「そっちは変わらないな」
「好きだからね、けれど普段は」
「ジムでか」
「あんたと一緒にいて少しずつでも距離を縮めて」
そしてというのだ。
「やがてはね」
「寄りをか」
「そう考えているのよ、全部言ったけれどね」
「そういうことか」
「ええ、もうこうなったら言うわよ」
真礼は高田にきっとした顔になって正面から向かい合って言葉を出した。
「また付き合いましょう、言っておくけれど何度断られても私諦めないから」
「喧嘩別れしたってのにか」
「そうよ、それで返事は?」
「今度の連休何処行くんだ」
高田は自分を見据えた真礼を見据え返して言葉を返した。
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