第九十五話 恋人のカードその十一
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「もうです」
「最初からですね」
「入れないことです」
「それがいいですね」
「そうです、しかし私もあの時は驚きました」
速水はあらためて言った。
「擦れ違ったらです」
「その人が刺青を入れていて」
「相手は気付きませんでしたが」
「店長さんに」
「そうですが」
それでもというのだ。
「その手首にある刺青を見てそうなるべくしてなった」
「元々よくない人で」
「それが成長してです」
「刺青入れる様な人にですね」
「なったのですから」
だからだというのだ。
「神様が巡り合わせてくれたのだとです」
「思われたんですね」
「人と人の出会いもです」
これもまた、とだ。速水は咲に話した。
「神様のです」
「お仕事ですね」
「そうです、偶然の様でいて」
「その実は」
「実に不思議な出会いが多くありますね」
「ですね、私と店長さんのことも」
「それは神様の為せることで」
そうしたものでというのだ。
「それによって人は多くのものを見て運命もです」
「決まりますか」
「変わっていきます、運命は普遍ではないのです」
「変わるものですね」
「はい」
まさにというのだ。
「その都度」
「そうなんですね」
「選択一つ一つで」
それでというのだ。
「常にです」
「変わるんですね」
「そうです」
まさにというのだ。
「出会いも捉え方と選択で、です」
「変わるんですね」
「その人と出会ってお手本とするか反面教師とするかで全く変わりますね」
「そうですね、悪い人をお手本にしたら」
「悪い人になります」
「反面教師にすると」
「逆です」
速水も話した。
「いい人になります」
「そうですね」
「ですから」
それでというのだ。
「その都度です」
「運命は変わるんですね」
「そうしたものです、普遍ではです」
「ないんですね」
「変わります」
こう言うのだった。
「そうしたものです、万物は流転するといいますが」
「運命もですね」
「ですから」
それでというのだ。
「小山さんもその運命はです」
「いいものにですね」
「されて下さい、そしてです」
「その運命はですね」
「このままいきますと」
タロットの占いから話した。
「いいです、では」
「はい、このまま頑張っていきます」
咲は速水に笑顔で答えた、それでこの日もアルバイトから帰ると予習と復習に自分から励むのだった。
第九十五話 完
2023・1・15
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