第百三十九話 群雄、戦を終わらせるのことその二
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「そうすることが一番なのね」
「そうです。皆さんの歌がこの戦いを決ます」
「その歌で敵を圧し味方の兵達の士気を奮い立たせてくれます」
「ですからどうか」
「歌い続けて下さい」
「わかったわ」
二人に言われてだ。劉備はだ。
確かな顔で頷いてだ。共に舞台にいる張角達に言うのだった。
「それじゃあね。戦いの間は」
「ええ、そうよね」
「歌って。そうして」
まずは張梁と張宝が劉備に応える。
「この戦いを終わらせて」
「そうして平和を」
「皆で仲良く楽しく暮らすんだから!」
張角が確かな顔で言い切った。
「もう戦争なんかいらない!必要なのは!」
「笑顔!」
また言う劉備だった。
「皆の笑顔の為にも!」
「歌わないと!」
張角は劉備に応えた。そしてだ。
劉備に顔を向けてだ。こう言うのだった。
「じゃあ。皆を信じて!」
「最後の最後までね!」
「歌いましょう!」
「皆の為に!」
二人はこうしてだ。共にだった。妹達と共に。
四人で歌い続ける。そして孔明と鳳統もだ。歌い続ける。そしてそれはだ。
戦場全体もだった。戦いの中でだ。連合軍の兵達は歌いはじめていた。そうしてだ。
関羽達五虎はだ。司馬尉、この戦乱の中心にいる者の一人を囲んでだ。こう言っていた。
「聴け、この歌を!」
「これが人の歌なのだ!」
関羽と張飛がだ。司馬尉に対して告げる。
「人は闇に飲み込まれはしない」
「御前なんかに負けないのだ!」
「そうだ、貴様がどう言おうとだ」
「あたし達は負けないんだよ!」
趙雲と馬超もだ。司馬尉を見据えて言う。
「ここで貴様を倒す!」
「絶対にな!」
「その通りよ。例え九頭の九尾の狐であろうとも」
黄忠も弓を構えている。
「ここで倒すわ」
「覚悟するのだ妖怪!」
張角は今にも突き進まんばかりに叫ぶ。その八重歯が見えている。
「ここで成敗してやるのだ!」
「言うわね。けれどね」
司馬尉は五虎に囲まれてもだ。それでもだった。
悠然とした態度のままでだ。こう言うのだった。
「この私を倒すことはね」
「できないというのだな」
「甘く見ないことね」
関羽に対してだ。司馬尉は構えも取らずだ。
その全身に黒い禍々しい、触手の様にうねる気を纏わせつつだ。それでだった。
「この司馬尉仲達をね」
「では私達をか」
「倒すわ」
このことを断言してみせるのだった。
「それも最高の恐怖と絶望を教えてね」
「言っておくけれどな!」
馬超も己の十字槍を構えて述べた。
「あたし達はそういうのは知らないんだよ!」
「恐怖、絶望は人が必ず乗り越えられるものだ」
趙雲は司馬尉が言ったその二つのものをその程度のものだと看破した。
「そうしたもので私達を
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