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博士の挑戦状
第三十四話

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                 第三十四話  小田切君の朝食
 小田切君は自分の朝食を食べて言った。
「いや、二日酔いでお風呂に入って」
「その後はだよな」
「その朝はだよね」
「お茶漬けだよ」
 これを食べつつ言うのだった。
「それもね」
「小田切君は梅だよな」
「梅茶漬けだね」 
 ライゾウとタロはその梅茶漬けを見て話した。
「二日酔いの後は」
「それでお風呂に入ったら」
「その後はな」
「梅茶漬けだね」
「シンプルであっさりしていて」
 それでというのだ。
「食べるとすっきりするんだよね」
「だからだよな」
「こうした朝はいつもだね」
「うん、食べやすいし」
 このこともあるしというのだ。
「本当にいいよ」
「じゃあそれ食ってな」
「お仕事はじめるね」
「そうするよ」
 二匹に実際にと答えた。
「とはいっても僕の仕事ってね」
「博士と一緒にいてな」
「博士の観察日記というかね」
「博士が何したか書いて」
「それを残しておくことだしね」
「博士の助手っていうか」
 小田切君は自分から言った。
「博士は何でも自分でするし」
「助手って言ってもな」
「やることないね」
「うん、それでね」
 そのうえでというのだ。
「日記みたいにね」
「博士がやったことを書いておく」
「日々ね」
「博士の傍にいて」
「そうすることだからね」
「それを引退まで続けて」
 そうしてというのだ。
「書き残したことを然るべき人に渡して」
「それでな」
「記録として残してもらうことでね」
「あまりね」
 これといってというのだ。
「大したお仕事じゃないよ」
「いや、記録するってな」
「それ自体が立派なお仕事だよ」
 二匹はこう小田切君に話した、そのうえでお茶漬けを食べ終えて後片付けをしてから仕事に入る彼に頑張れよと声をかけたのだった。


第三十四話   完


                 2023・2・3
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