第七幕その九
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「亀はミドリガメやイシガメがいるね」
「違うよね」
「ミドリガメはやや緑が入っていてね」
そうしてというのです。
「イシガメは黒いね」
「その違いだね」
「ザリガニはニホンザリガニはやや色が薄くてね」
「それでなんだ」
「アメリカザリガニは赤が濃いんだ」
そうなってるというのです。
「ニホンザリガニに比べてね」
「僕が言った通り違うね」
「そしてヤゴもだよ」
トンボの幼虫もというのです。
「またね」
「違うんだね」
「そうだよ、それぞれのトンボの種類でね」
「アカトンボやギンヤンマ、ミズカラトンボにだね」
「オニヤンマでもね」
「やっぱり違うね」
「そしてそれは蛍もだよ」
この虫もというのです。
「種類があるのだよ」
「ゲンジホタルとヘイケホタルがあって」
こう言ったのは恵梨香でした。
「幼虫も」
「それぞれ違うよ」
「蛍の種類によって」
「そうだよ、だからね」
ジャックの言う通りなんですね」
「そう、どの生きものもね」
まさにというのです。
「それぞれ違うんだよ」
「同じ亀やザリガニでもそうで」
「そっくりに見えてもね」
一見そうでもというのです。
「ヤゴやホタルもだよ」
「違いますね」
「よく見たらね」
「そういえばバッタとイナゴも違うね」
ガンプは丁度目の前を跳んだ彼等を見ました。
「それぞれ」
「うん、そっくりと言っていいけれどね」
「やっぱり違うね」
かかしと樵がガンプに応えました。
「それぞれね」
「よく見たら違うね」
「そうだよね、その違いを見極めることも」
「面白いね」
「そうだね」
「そう思ったよ」
ガンプにしてもです。
「何かとね」
「そうよね」
「しかし」
ここで言ったのはオズマでした。
「ここに来て生きものの違いまで勉強するとはね」
「思わなかったわね」
「水田と南瓜畑のことはと思っていたけれど」
それでもというのです。
「そこにいる生きもののことなんてね」
「思わなかったね」
「そうだったわ」
こうジャックに言いました。
「蛙や蛍のことにね」
「他の生きものについてもだからね」
「いや、世の中本当にね」
「あらゆるところで色々なことが学べるね」
「そうね」
「それが世の中なのだよ」
教授がとても嬉しそうに言ってきました。
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