第十四話 添星その八
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「その人は殺され実は」
「地の龍と天の龍の二人は」
「三人で固く親しい絆を築いていましたが」
「その絆もですか」
「今はです」
「なくなったのですね」
「三人の絆がです」
まさにというのだ。
「なくなりました、そして地の龍と天の龍なので」
「戦うことになりますか」
「そうなります、それもです」
「運命ですか」
「そしてその運命では」
さらに言うのだった。
「地の龍は天の龍にです」
「倒されるのですね」
「そうなります、そして」
「そして、ですか」
「天の龍はそこから地の龍にです」
「なりますか」
「そうなります、出来れば」
今度は辛い声になってだ、牙暁は話した。
「僕はそうなる運命をです」
「変えたかったですか」
「それが出来なかった、そして」
その時にというのだ。
「運命の強さをです」
「感じたのですか」
「ですがそれが」
「父さんのことで」
「変わるかもとです」
その様にというのだ。
「今はです」
「考えておられますか」
「そうなっています」
こう話すのだった。
「幸い」
「そうですか」
「出来れば」
ここでだ、また言う牙暁だった。
「彼等の運命もです」
「その二人のそれもですね」
「はい、変わることをです」
「願っておられますか」
「運命が変わるなら」
それならというのだ。
「希望も持てます」
「変わらないのならですか」
「全てがそうなるのなら」
決まっていてというのだ、あらかじめ。
「それででどうしてです」
「希望が持てるかですか」
「持てないですね」
「確かに」
封真も否定しなかった。
「そうであるなら」
「僕はその時にそうなったことを見て」
「それからもですか」
「多くの運命を見てきたので」
変わらないそれをというのだ。
「この様にです」
「考えているのですね」
「僕は人間も他の命も好きです」
「草薙さんと同じく」
「はい、地の龍ですが」
それでもというのだ。
「今のこの世界がです」
「好きですか」
「ですから出来ればです」
己の気持ちを隠さず話した。
「残って欲しいとです」
「お考えですか」
「左様です」
まさにというのだ。
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