第十四話 添星その七
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「世の中には偶然はありません」
「そうなのですか」
「全ては必然であり」
起こるべくして起こってというのだ。
「そうですが」
「それで運命もですか」
「全てです」
まさにというのだ。
「必然で起こるべきしてです」
「全て起こっていますか」
「お父上が死ななかったことも」
「必然ですね」
「そうですが」
それがというのだ。
「貴方もですか」
「若し地の龍になっても」
「妹さんを殺しませんか」
「そしてあいつにです」
神威にというのだ。
「護ってもらいます」
「そうされますか」
「あいつが天の龍になれば」
「では貴方が天の龍になれば」
「あいつは小鳥を殺しませんから」
「護ると誓ったので」
「その意志は絶対です」
まさにというのだ。
「ですから何があってもです」
「彼もですか」
「小鳥は殺しません、そしてその時は」
「貴方が彼女を護る」
「そうします、何もです」
それこそというのだ。
「心配はです」
「不要ですか」
「貴方は」
「そうだといいですが。実は僕はです」
牙暁はまた目を閉じて話した。
「地の龍のお一人、そして天の龍のお一人に」
「二人にですか」
「まつわる人のことですが」
こう話すのだった。
「その人は弟さんを護る為にある人にです」
「殺されたのですね」
「わかりますか」
「今のお話から」
そこからというのだ。
「わかります、ですから」
「それで、ですか」
「貴方達のこともです」
「心配なのですね」
「そうです、残念なことに」
牙暁は封真にさらに話した、目を閉じたうえで語るその声はこれ以上はないまでに悲し気なものだった。
「その人とは今もお友達ですが」
「その人が死んでも」
「そうです、その人を助けたかったですが」
「助けられませんでしたか」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「その人は殺され」
「今はですね」
「僕と夢の中でお話しています」
「そうなっていますか」
「出来れば」
牙暁はその声のまま話した。
「その人とは生きてです」
「夢の中で、ですね」
「今もです」
「お話したかったですか」
「三人共助かり」
「そのうえで」
「そう考えていましたが」
それがというのだ。
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