第十四話 添星その三
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「パワーもあって力もな」
「地の龍としてですね」
「それがあったからな、ガキの頃からいじめとか観るとな」
その時はというのだ。
「いじめられている子を助けて困っている相手もな」
「見捨てなかったですか」
「そうした性分でな」
それでというのだ。
「ずっとだよ」
「そうされていましたか」
「ああ、それでな」
そのうえでというのだ。
「成長してきて自衛隊に入って」
「護る為にですか」
「訓練も受けてきて災害が起こってもな」
その時もというのだ。
「出ていたよ」
「そうでしたか」
「俺の力は人間そして他の命もな」
「護る為とですね」
「思っていたさ、けれどな」
「地の龍と知って」
「今複雑な気分だよ」
封真に今度は難しい顔で話した。
「どうもな」
「そうですか」
「ああ、地球の声は聞こえるさ」
「悲鳴を挙げていますか」
「痛いってな、けれどな」
「地球を救う為にですね」
「そこにいる多くの命まで犠牲にしてもいいのか」
こう言うのだった。
「人間が傷付けていても人間だってな」
「悪人ばかりか」
「心底の悪人だっているさ」
草薙も否定しなかった。
「そうした奴もな、けれどな」
「僅かですね」
「人間ってのは大抵はおおむね善と悪を両方持っていてな」
そうしてというのだ。
「その時で善人になったりな」
「悪人にもなりますね」
「そして心底の悪人よりもな」
「生粋の善人の方が多いですね」
「ああ、地球のことを真剣に考えている人間だってな」
そうした人物もというのだ。
「かなりいるしな」
「そうした命まで犠牲にしていいか」
「何十億もな、人間と暮らしている犬や猫だってな」
彼等もというのだ、草薙は実際にそうした命のことも考えてそのうえで今封真に対して語るのだった。
「いるんだ、空を飛ぶ鳥だってな」
「犠牲になりますね」
「海の魚もな、そんな命までな」
「犠牲にしていいのか」
「そう思ってな」
それでというのだ。
「俺はな」
「地の龍としてですか」
「働くことにな」
どうにもというのだ。
「気が進まないんだよ」
「そうですか」
「ああ、どうしたものか」
今度は困った顔で話した。
「俺も考えてるさ」
「地の龍として地球を護り」
「多くの命を犠牲にすべきかってな」
「そうした考えもありますか」
「ああ、けれど時が来れば」
「その時はですか」
「仲間達のところに行ってな」
そうしてというのだ。
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