第79話 痩せ狼
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わたしにも抱き着こうとしたけど逃げた。
「オリビエも無事だったんだ」
「ははっ、僕は目を覚ました時にこの浮島にいてね、近くにいたアネラス君と共に君たちが来るのを待っていたんだよ」
「そうだったんだ。でもどうしてこの島は宙に浮いてるんだろう?」
「この特異点はあの魔獣によって生み出された場所です。現実ではありえないような光景や現象もここでは普通なんですよ」
「確かに私が前に入った特異点も普通じゃ考えられないようなことばかり起きてたよ」
オリビエとアネラスはこの浮島に最初からいたらしい。
でもどうして島が空中に浮いているんだろうと思ってたらエマがここは普通でがあり得ないような現象も起こると話し、前に特異点に入った事のあるアネラスも同意していた。
「あれ、リィンはいないの?」
「この浮島では見ていないな、君達と一緒だと思っていたんだけど違うのかい?」
「うん、わたし達は会っていない」
ここまでくる道中ではリィンを見なかった、てっきりオリビエ達と一緒だと思っていたんだけど……
「まさか弟弟子君、マグマに落ちちゃったんじゃ……!」
「そ、そんなことないよ!リィンがわたしを残して死ぬわけが……!」
アネラスの言葉にわたしは心臓が止まりそうなくらいショックを受けそうになった。でもここまでリィンの姿はなかった……じゃあやっぱり……
「フィー、落ち着くのだ」
「ラウラ……」
「リィンは死んではいない、私達がそう信じないでどうする。まずはここから脱出するんだ、そうすればリィンが生きているのかどうかわかるはずだ」
「……」
ラウラの言葉を聞いてわたしもリィンを信じようと思った。
「ごめん、ラウラ。迷惑をかけちゃった」
「気にするな、私も同じ気持ちだ。リィンにもしもの事があったら……」
「……」
ラウラも不安なんだよね、なのにわたしを勇気づける為に気丈に振る舞ってる。わたしも頑張らないといけないね。
「ここを出るにはこの特異点を生み出している存在を倒すしかありません。その存在は鳥のような姿をした魔獣だと思います」
「それなら私達心当たりがあるよ。この浮島に大きな鳥が休みに来てたのを見たの」
エマはここを脱出するにはこの空間を生み出している存在の特徴を話すとアネラスは心当たりがあるのかその魔獣を見たと話す。
「本当か?」
「うん、白い体毛とおっきな羽根が腕に生えた鳥みたいな魔獣だよね。そいつがここに来るのを見たの」
「僕も見たよ、二人だけでは勝てそうになかったから隠れていたんだ。多分ここがその魔獣の住処なんじゃないかな?」
「ならここで待っていればソイツが帰ってくるんじゃないの?」
アガッ
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