第八十三部第四章 戦線崩壊その五十一
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「今の執務の滞りを見て思う」
「ですが閣下の事務処理能力ならです」
「これだけの量も処理されていますね」
「いつも」
「そうされていますね」
「処理する自信はある、しかしだ」
サインを続けつつ言うのだった。
「どうしてもな」
「滞りを感じられますか」
「どうしても」
「そうなのですね」
「そうだ、だからだ」
それでというのだ。
「強く思う、その時点連合は先を進んでいるか」
「軍事に疎いと言われていますが」
「そうした国ですが」
「それでもなのですね」
「あの国は政治、統治もだ」
この分野においてもというのだ。
「最先端だ、軍事も政治としてだ」
「考えていて」
「そしてですか」
「軍事についてもですか」
「非常に高度化されていて」
「政治の中にありますか」
「軍人は職業化されていてだ」
それも完全にだ、軍人は公務員でありかつ高位の軍人は官僚である。武器を持ち仕事を行う職業と考えられているのだ。
「そしてだ」
「そのうえで、ですか」
「戦場に出て戦う」
「文民は戦場に出ない」
「文民は文民の仕事を行うのですね」
「軍人の領分に入らずな」
これを破る国家元首や国防大臣がいるにしてもだ。
「そうしている」
「では、ですか」
「我々もですか」
「その考え、システムを取り入れていきますか」
「建国後は」
「そうも考えている、さもないとだ」
それこそというのだ。
「国政にな」
「支障が起きるので」
「だからですか」
「そこは、ですか」
「取り入れていきますか」
「そう考えている、だが絶対のことかというと」
それはというと。
「しない方がいい」
「皇帝親征を禁じる」
「それは、ですか」
「絶対とされないですか」
「絶対とするとだ」
そうしてしまうというと。
「金科玉条になる、だがやはり国家元首は戦場に出るべきでないにしても」
それでもというのだ。
「出た方が士気が上がることもな」
「事実ですね」
「そのことも」
「だからですか」
「私はだ」
「絶対とはですね」
「しないつもりだ、余程の時でない限りとする」
原則として禁止でもというのだ。
「そうする」
「絶対とはしない」
「法律には柔軟性を持たせる」
「そうされますか」
「殺人や強盗とは違う、偶像崇拝ともな」
人倫として絶対に禁じられてはいないというのだ、偶像崇拝はイスラムでは間違いなく絶対の禁止事項であるから殺人と同じレベルに扱われているのだ。
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