第78話 灼熱の洞窟
[1/8]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
side:フィー
地震を人為的に起こしていたことが分かりそれの発生場所を突き止めたわたし達はエルモ村に向かっていた。
エマも同行を認められたらしく合流してキリカに状況を説明してトラット平原道を急ぐ。
「着いたわ、エルモ村に来るのも久しぶりね」
以前エルモ村に来たことのあるエステルがそう呟いた。こんな状況じゃなければまた温泉に入りたいところだね。
「ああ、よく来てくれたね」
「あっ、マオおばあちゃん!」
そこに以前出会った紅葉亭の女将であるマオが現れてわたし達を出迎えてくれた。
「久しいね、あんた達。元気にしていたかい?」
「うん、元気だけが取り柄だからね」
「本当ならゆっくり話をしたいんだけどそうも言ってられないみたいだね。中央工房から連絡は受けているよ、なんでも最近ツァイスで起こっている地震の原因がエルモ村の近くにあるそうじゃないかい。本当なのかい?」
「うん、可能性は高いと思うわ。ねえマオさん、ここ最近で怪しい男を見かけなかった?黒いスーツを着てサングラスっていう眼鏡をかけてるらしいんだけど……」
エステルはマオに怪しい男を見ていないか確認した。目撃情報にあった男だね。
「怪しい男は見ていないねぇ、少なくとも宿には来ていないと思うよ」
「そっか……」
「ただそれと関係があるかは分からないけど異常事態が起こってしまったんだ」
「異常事態?」
「百聞は一見に如かずさ、直接見ておくれ」
わたし達はマオに案内されて村の中央にある湯に来たけど……
「な、なにこれ!?」
「煮えたぎっちゃってる……」
そう、湯は目で見てわかるくらいに煮えたぎっていた。ブクブクと気泡を浮かべてまるでマグマみたいだ。
「一体どうしたんだ?」
「私にも分からないんだよ、ポンプ装置も正常に動いていたから機械の誤作動ではないね」
「じゃあこれは機械ではなく源泉の温度が上がったんじゃないかな?」
アガットがなぜこうなったのかをマオに確認するが分からないらしい。機械も壊れている訳じゃないので原因は原潜の温度が上がったのではないかとオリビエは話した。
「多分ですけど地震が関係しているのではないでしょうか」
「なるほど、地震を発生させる為に七耀脈の流れをイジった事で活性化して源泉の温度を上げたのかもしれないな」
クローゼの指摘にリィンも同意した。七耀脈が活性化したから源泉の温度も上がったってこと?難しいことはよく分かんないや。
「地震が起こるたびにこうなったのか?」
「いや今日が初めてさ、今まではこんなことはなかった」
「じゃあどうして今日はこんな風になっちゃったんだろう?」
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ