第七十四話 自衛隊の後はその四
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「それはわかるさ、必死にやってもな」
「すぐにですね」
「結果が出るとは限らないんだよ」
こう一華に話した。
「それだったら種を蒔いてな」
「その芽がですね」
「全部一斉に出るだろ」
「そうはならないですね」
「種を蒔いた畑にこっちが一生懸命水や肥料をあげてもな」
そうしてもというのだ。
「それぞれの違いが出るだろ」
「そうですね、どの芽もです」
「最初からなんてな」
「ならないですね」
「個人差があるんだよ」
これがというのだ。
「必死にやってもな」
「結果が出るのがですね」
「けれど美味くなるんだよ」
その芽がというのだ。
「いいお野菜になってな」
「最初は駄目でも」
「ああ、一生懸命水や肥料を糧にしてくれてな」
そのうえでというのだ。
「そうなるからな」
「結果はですか」
「それがすぐに出るなんてな」
「限らないですね」
「それで出る時はな」
「人じゃわからない」
一華は玲子に話に考える顔になって応えた。
「そういうものなんですね」
「それで偉そうに結果を出せなんてな」
「言わないことですね」
「それでやたら結果を出せって言ってな」
それでというのだ。
「言ってる奴こそな」
「結果を出しているどころか」
「自分は碌に努力していないんだよ」
そういうものだというのだ。
「結果を出す以前にな」
「そうしたものですか」
「すぐに結果を出せって言ってる奴は結果を出すまでを知らないんだよ」
「その過程を」
「だから結果を出すってのがどういうことか」
そのことをというのだ。
「知らないんだよ」
「だから言うんですか」
「まあ自分は適当に要領よくやって」
「結果を出したんですか」
「そうした風に見せてるんだよ」
周りにというのだ。
「そうしたものなんだよ」
「そうですか」
「ああ、努力を否定する奴はな」
「努力をしたことがなくて」
「努力を知らないんだよ」
「それで結果をですか」
「すぐに出せるって思うんだよ、わかってる人はな」
努力がどんなものかをだ。
「その人の努力を見てな」
「結果は言わないですか」
「ああ、まあこうした運動部にもいるけどな」
「結果ばかり言う人は」
「そんな奴は大したことがないんだよ」
「そうした人ですか」
「あたしが今話した通りにな」
こう話した。
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