第二章
[8]前話
「言われてみれば」
「けれどな」
「そんないつも食うものじゃないな」
「食わせるものでもないんだ」
「ふわり骨好きだけれどな」
洋介は彼女の好みのことも話した。
「あまりやらない方がいいか」
「ああ、だから俺も母さんもあまりやってないだろ」
「それで俺もか」
「ふわりには普段はドッグフードをあげてな」
いつも食べているそれをというのだ。
「それでおやつもな」
「普通のやつをか」
「あげてな」
「骨は時々か」
「ああ、いいな」
「そうするな、じゃあふわりいいか」
洋介はあらためてだ、彼女に声をかけた。
「骨は時々だな」
「クゥ〜〜〜ン」
骨が好きなふわりは洋介のその言葉に顔を向けて残念そうに鳴いた、だが洋介はその彼女にさらに話した。
「お前の為だからな」
「ワン？」
「そういうことだからな」
「ワン・・・・・・」
「理解したな、しかしな」
それでも残念そうなふわりを見てだ、洋介は思った。
「嬉しそうじゃないな」
「ふわりは骨好きだからな」
文太も言った。
「それも当然だ」
「やっぱりそうか」
「けれどな」
「骨は消化に悪いからな」
「だから好きでもな」
それでもというのだ。
「あくまでな」
「時々か」
「やるぞ」
「それもふわりの為だな」
「そういうことだ」
「それで鶏の骨はか」
「絶対にやったら駄目だ」
このことは念を押すのだった、そうしてふわりに一家でそうしていった。彼女の為にそうしたのだった。
鶏の骨はいいか 完
２０２３・４・２３
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