第三章
[8]前話
「というか警察に突き出すぞ」
「妖怪を?」
「妖怪相手に警察は動かないか」
「そうよ、というか皆がそう言うから子供はずっと早く帰る様になって」
雪女は残念そうに腕を組んで言った。
「女日照りが嫌になってね」
「雪女で日照りか?」
「例えよ、それで仕方なく結婚したのよ」
「仕方なくなんだな」
「そうなのよ、雪男の旦那とね」
「そこはショタじゃないんだな」
「妖怪の世界でも子供とは結婚出来ないからね。まあ人間だと十二歳の外見だからいいんだけれどね」
「やっぱり犯罪だな」
妖怪の世界でもとだ、竜童は思った。
「十二歳の外見だと」
「合法的にショタ楽しめるからいいしね」
「じゃあそれでもう満足しろよ」
「よく言われるわ、けれどさっき話した通り」
「子供は夜まで遊ばないからか」
だからだとだ、竜童も思った。
「それでか」
「そうなのよ、残念よね」
「いいことだろ、兎に角な」
あらためてだ、竜童は雪女に言った。
「結婚したんだしもう小さい子狙うの止めろよ」
「女の子相手だと浮気にならんじんじゃないかしら」
「なるよ、旦那さんだけで満足しろよ」
「仕方ないわね、じゃあ今日帰ったら今日も楽しむわ」
「そうしろよ、それじゃあ俺帰るからな」
竜童は自分から言った。
「また縁があったらな」
「ああ、私子供にしか興味ないから」
雪女はここでもこう言った。
「会ったら宜しくだけで」
「別にいいよ、そんなの」
こう雪女に言ってだった。
竜童は家に帰った、そしてある時同じ街に住んで結婚して今も幼稚園の先生をしている優子にたまたま会った時に雪女に会ったことを話してから言った。
「何で早く帰るべきかわかりました」
「そうした雪女だって昔から言われているの」
「そうなんですね」
「だからなのよ」
「この辺りじゃ皆そう言ってたんですね」
「そうなの、だからこれからもね」
「子供にはですね」
優子にさらに話した。
「この辺りじゃそう言うんですね」
「本当に出るからね」
「そうですね、じゃあ俺も結婚して子供が出来て」
「この街にいたら」
「子供にそう言います」
こう優子に話した、そして実際にだった。
竜童は大学を卒業するとこの街の市役所に就職して結婚して子供ももうけた。そしてその子供に言ったのだった。
幼稚園の先生と雪女 完
2023・4・23
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