北欧編 仮面ライダーRC&レジスタンスガールズ 最終話
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クトリアは、大恩ある穹哉達が次の戦場に向かおうとしている時に、何の力にもなれていないことに口惜しさを感じていた。そんな彼女の様子を一瞥した忠義・ウェルフリットは赤いロングコートを翻すと、ある「頼み」を口にする。
「知っての通り、俺達は旅から旅の根無草だ。いつまでもこの街には居られねぇ。……だから、この街の復興は君達に任せるぜ」
「……!」
「銃を持って戦うことだけが、街を守るってことじゃない。むしろ銃を捨てられた今日からが、君達にとっての本当の戦いなんだ。……いつか必ず、俺達のような奴らが要らなくなる時代が来る。その時までに、そんな時代を笑って迎えられるようにしておいて欲しい。それは、君達にしか出来ない」
「……狡いことを言うのだな、あなた達は」
「おぉ、そうさズルいさ。ちょっとズルいくらいじゃなきゃ、俺みたいなのがライダーやってられるわけねーもんな」
感極まった表情で、声を震わせるヴィクトリア。そんな彼女を気遣い、忠義は敢えて道化を演じるかのようにおどけていた。
そんな彼の言葉を耳にしたレオナは神妙な面持ちで、白のロングコートを纏う本田正信を見詰める。敬愛するヒーローに父の形見を託すと決めた彼女は、コマンドバッシャーのハンドルを握る正信の手に、自身の掌を重ねていた。
「……要らなくなる、なんて言わないでください。誰が何と言おうが、あなた達は街を救った英雄なのですよ? こんな状況でさえなかったら、ずっとここに居て欲しかったくらいなのに……!」
「どんな御託を並べようが、俺達の力は最初から戦うために作り出された暴力装置そのものだ。仕方なく兵器になった、このお父さんの形見とは違う。役目を終えたらお払い箱。……俺達は皆、そんな未来のために戦っている」
「どうして……!? どうしてそんなことが出来るのですか!? 自分達を要らなくするために戦うなんて……意味が分かりませんっ!」
Gチェイサーに代わる新たなマシンとして、コマンドバッシャーを託された正信の言葉に、レオナが声を荒げる。仮面ライダー達の旅立ちを見送るために集まったというのに、これでは気まずい空気になってしまう……と、周囲のメンバー達はどよめいていた。
さらに、エヴァもレオナと同じ気持ちだったのか。迷彩色のロングコートを羽織ったジャック・ハルパニアに対して、複雑な視線を向けていた。
「……こんな時に言うことじゃないけどさ。自己犠牲、なんて安い言葉で片付けて良いことじゃないだろ……! この街のために戦ったあんた達の正義が、何の理由があって否定されなきゃならないんだ!」
「分からなくて良い。いや……分からない方が良い。戦うということ、殺すということは……いつか必ず、その正当性を見直される時が来る。今は良くても、いつかは
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