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仮面ライダーAP
北欧編 仮面ライダーRC&レジスタンスガールズ 第20話
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た輸送車は捕捉出来ない距離にまで逃げおおせていた。

「この期に及んで逃げるつもり……!? 待ちなさいよ、このぉおぉッ……!」
「落ち着けニッテ、深追いは危険だ! ……奴が撤退した以上、この街にもうノバシェードは居ない。勝ったんだ……ニッテ。私達が、勝ったんだ……!」
「……くっ……!」

 街を蹂躙したノバシェードの刺客。その最後の1人を取り逃してしまったことに、ニッテは激しく憤り怒号を上げる。そんな彼女を懸命に宥めているヴィクトリアも、絶え難い悔しさに唇を噛み締めていた。

 彼女だけではない。ノバシェードの撃退に成功し、オーファンズヘブンの平和を取り戻したというのに――解放戦線のメンバー達は皆、どこか腑に落ちない表情を浮かべている。

「……なんとも、逃げ足の早い奴だ。初めから……この場で決着を付ける気などなかったということか」
「くそッ……! いつか必ず、ケリを付けてやるッ……!」
「あぁ……今度こそ、決着を付けねばなるまい。彼女達の無念を晴らすためにも、な」

 そんな彼女達の様子を一瞥しているケージとUSAも、同じ気持ちであった。悔しさのあまり地面を殴り付けているケージの肩に手を置いているUSAも、穏やかな声色に反してその拳を震わせている。

 ――かくして。新世代ライダー達とニッテ達の共同戦線により、オーファンズヘブンはついにノバシェードの支配から解放されたのであった。
 その報せに市長はもとより、市街に展開していた正規軍や難民キャンプの避難民達も歓声を上げ、平和の到来を噛み締めて行く。だが、その平和を賭けた戦いの渦中に居た者達は皆、物憂げな表情で空を仰いでいた。

 硝煙の匂いが風に流され、戦いの嵐が過ぎ去って行く。その果てに訪れた静寂が、この戦いの終わりを穏やかに告げるのだった。

 ◆

 オーファンズヘブンの市外を包囲していたこの国の正規軍。彼らの中でも「最強」と謳われていた大部隊は、たった1人の怪人によって壊滅的な打撃を被っていた。
 約1週間に渡る戦闘で彼らを壊滅させた真紅の馬型怪人(レッドホースマン)は、街を取り囲んでいた正規軍の包囲網に「大穴」を開けていたのである。それは、「学習」を終えたLEPを脱出させるための「出口」を作る攻撃であった。

 その攻撃によって切り開かれた道は、オーファンズヘブンを蹂躙したノバシェードの刺客をみすみす通してしまったのである。だが、肝心のLEPがこの戦いで得たものは、結果的にはごく僅かなものであった。

 ――脆弱な生身の人間には、惰弱な精神しか宿らない。天地がひっくり返ろうとも、完全なるロボット兵器である仮面ライダーRCが、そんな人間に負けることなどあり得ない。

 LEPはこのオーファンズヘブンでの戦闘行為を通じて、多くの戦術を「学
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