北欧編 仮面ライダーRC&レジスタンスガールズ 第20話
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裂する。
――ライダー・クアドラップル・キィイィック!
その雄叫びが重なり合い、天を衝くような轟音が鳴り響いていた。鬼気迫る修羅の形相を仮面に隠した男達の絶叫が、蹴撃のタイミングを完全に合致させている。
そんな彼らの「新必殺技」をまともに喰らったRCは、大きくよろめいて後ずさって行く。これまで、どれほどの猛攻を浴びてもビクともしなかった鉄人の牙城が、初めて揺さぶられたのだ。
最高速度に達したマシンによる助走を活かし、運動エネルギーを極限まで引き上げて繰り出すライダーキック。それを4方向から同時に命中させるこの技は、RCのような防御力に秀でた怪人を倒すために、ケージ達が秘密の特訓で編み出したものであった。
例えどれほど装甲が厚くとも、それに守られている内部機構も頑強であるとは限らない。だが、そういった弱点を抱えている怪人は、敢えて後方に吹っ飛ぶことによって衝撃を逃し、ライダーキックを凌ぎ切ることが出来る。
しかし。4方向から同時にライダーキックを叩き込めば、怪人のボディは運動エネルギーの逃げ場を失い、全ての衝撃がそのまま体内へと伝播することになる。
装甲が破れないなら、その内側を衝撃の波紋で破壊する。それが、「ライダー・クアドラップル・キック」の真価なのだ。
「グ……ォオ、ォオォォ……!」
新世代ライダー達の力を結集させた渾身のキックを浴びて、RCのボディが濁った唸り声を上げて大きくよろめいて行く中。輸送車の車内から小爆発が起こり、状況が動いたのはそれから間も無くのことだった。
「ダメージの蓄積を確認。これ以上の戦闘続行は危険と判断。……これより、戦闘区域外へと『退却』する」
これ以上の戦闘続行は不可能と判断したのか。RCは迷うことなく、輸送車の車内へと逃げ込んで行く。
RCのボディが想定以上の「負荷」を受けた上、無防備なLEP本体にも何発かの銃弾を受けてしまったのだ。この戦いを「演習」として終わらせるためにも、ここで引くことが最良だと判断したのだろう。
ハッチを閉じた輸送車が一気にこの場から走り去ったのは、その直後だった。人工知能故に一切の躊躇がない「退却」に、この場の全員が目を剥く。
「なッ……! こ、こいつ、逃げる気かッ!」
「まっ、待ちやが、れッ……!」
ケージ達は輸送車を逃がすまいと走り出そうとするも、その思いに反して膝から崩れ落ちてしまう。黒死兵達と戦った後の連戦は、想定以上の消耗を招いていたらしい。
それでも諦めまいと、ライダー達は各々のマシンに再び乗り込もうとしたのだが――先ほどのライダーキックで力を使い果たしてしまったのか、その直前で脚がもつれている。
彼らが最後の力を振り絞って何とかハンドルを握り締めた時には、すでにRCを乗せ
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