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仮面ライダーAP
北欧編 仮面ライダーRC&レジスタンスガールズ 第17話
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ィクトリアの曽祖父だったのである。

 彼は戦後、旧日本軍の戦闘機に積まれるはずだった機銃を接収。戦利品として持ち帰り、ファルツ家の勝利と栄光を讃える「家宝」とした。それが今、ヴィクトリアが構えている「九九式二十粍二号航空機銃五型」なのだ。
 彼女はかけがえのない仲間達を救うため、断腸の思いで偉大なる曽祖父の遺産を「改造」し、コマンドバッシャーに機銃として積み込む判断を下したのである。

 そんな彼女の重い決断と覚悟を汲み取ったラングニルとスフルは、歴史あるファルツ家の象徴とも言うべき「家宝」を改造し、ノバシェードに対抗するための「兵器」として現代に甦らせたのだ。
 ヴィクトリアの身体にぴっちりと張り付いているラングニル製の外骨格も、戦闘機用の大型機銃を取り回すことになる彼女の負担を軽減させ、その身体を保護するためのもの。些か扇情的過ぎるそのデザインも、危険な代物を扱うことになるヴィクトリア自身の動きが、万に一つも阻害されないように……という「機能美」を追求した結果に過ぎない。

 共に勝利を誓った解放戦線の仲間として、オーファンズヘブン最高の天才達がその叡智を結集して完成させた、友情の結晶。それがコマンドバッシャーと、サイドカーに乗せられた九九式二十粍二号航空機銃五型なのである。

(……ファルツ家の武人たるもの、何を置いても民の幸せを護るためにその力を尽くさねばならない。私も……そう在ります!)

 幼い頃、何度も聞かせてもらった当時の武勇伝。その数々を語っていた晩年の曽祖父の顔が、何度もヴィクトリアの脳裏を過ぎる。

 後悔などない。後悔などしてはならない。この国を、この国の人々を守るためならば、きっと曽祖父も許して下さるはず。
 そう信じると決めた以上、今はただこの引き金を引くしかない。その悲壮な信念が、ヴィクトリアを突き動かしている。

(……父さんの想いも乗せたこのコマンドバッシャーで、必ず皆を守り抜いて見せる。だからどうか……天国から見守っていてください!)

 それは実父の遺品を兵器にしてしまったレオナも同じであり、彼女達は各々の葛藤に苛まれながらも、仲間達のために前だけを見つめていた。きっとそれが、「今」を生きている者の務めなのだと信じて。

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