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仮面ライダーAP
北欧編 仮面ライダーRC&レジスタンスガールズ 第10話
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い段階から穹哉達の入国を察知していたことになる。

(……こんなふざけた真似をするクソ野郎には心当たりがある。まさかこの街にあいつが……!?)

 忠義の脳裏を過ぎったのは、かつて一度戦った真紅の馬型怪人(レッドホースマン)の姿だった。忠義に仮面ライダーの力を与えた天才女科学者・一光(にのまえひかる)博士を襲撃し、彼女を死の淵に追いやった因縁の宿敵だ。
 彼女が変身する「仮面ライダーバウル」の力が無ければ、撃退することも叶わなかったほどの強敵。その存在を意識した忠義は静かな憤怒に心を燃やし、ハガキを握り潰してしまう。

「……何にせよ、俺達の存在をすでに奴らが掴んでいることだけは確かだ。黒死兵を配備しているのも、最初から俺達の入国を想定してのことだったのかも知れん」
「このままでは俺達よりも先に、解放戦線の連中が黒死兵達に遭遇することになりかねん。彼女達の装備で奴らを仕留めるのは不可能だ、急がなくては!」
「……待って!」

 忠義の怒りを察しつつ、穹哉達は出動を急ぐべく自身の愛車がある方向へと走り出して行く。そんな彼らの背中に声を掛けたのは、このテロで家族と離れ離れになってしまった、1人の幼気な少女だった。
 思いがけない相手から呼び止められたことにより、4人の男は思わず足を止めてしまう。自分達に敵意すら抱いていた避難民達の1人が、縋るような視線を向けているのだから。

「……せっかく来てくれたのに、いじわるな目で見てごめんなさい。謝るから、だからっ……お姉ちゃん達を助けてっ! お姉ちゃん達だけは、見捨てないであげてっ!」

 廃ビルから走り去ろうとした穹哉達の動きを見て、逃げ出そうとしていると思ったのだろう。
 子供でありながら。否、子供だからこそ。少女は素直な願いを叫び、解放戦線を救って欲しいと訴え掛けて来る。そんな少女の前で片膝を着いた穹哉は、優しく彼女の手を取り、静かに――それでいて力強く誓う。

「……大丈夫。お姉ちゃん達は、お兄ちゃん達が必ず無事に連れて帰って来るよ。だから君も、キャンプの皆と一緒にここを守っていてくれ。お姉ちゃん達が安心して、ここに戻って来られるように」
「うんっ……! 約束だよ、おじちゃん!」
「あぁ、約束だ。……それと、おじちゃんはやめてね」
「うん、おじちゃん!」
「……」

 部分的には伝わらなかったところもあったようだが。ひとまずは安心出来たのか、少女は満面の笑みを咲かせて避難民の方へと帰って行く。
 何とも言えない表情でその背中を見送った穹哉は、生暖かく見守っていた仲間達と共に、愛車に乗り込んで行く。4人の男達を乗せた4台のスーパーマシンが走り出したのは、それから間も無くのことだった。穹哉とジャックが乗る2台のスーパーカー「マシンGドロン」と、忠義と正信が駆る
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