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仮面ライダーAP
北欧編 仮面ライダーRC&レジスタンスガールズ 第8話
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ばれることもある世話焼きな美少女――カミラ・ヴェサール。半壊した銃砲店で見つけた猟銃「サコーM75フィンライト」を撃ち続けている彼女は、リリエラを鼓舞するように爽やかな笑顔を見せている。
 ライトブラウンのミディアムヘアを靡かせ、青い瞳で真っ直ぐに怪人を射抜くカミラは、この状況下でも怯む素振りを見せることなく。ハンチング帽を片手で被り直し、ミリタリーコートを翻していた。
 
 旧シェードのテロにより肉親を失った孤児であるという過去は、解放戦線のメンバー全員に共通している。
 カミラも間違いなくその1人だというのに、彼女は辛い表情一つ見せず、こうしていつも仲間達を励ましているのだ。そんな彼女に母性を覚えるリリエラは、桜色の唇をきゅっと噛み締めている。

「カミラさん、この状況でもいつも通りでいられるなんて凄いですね……。私こう見えて、結構ブルっちゃってるんですけど」
「そうでもないよ、私だって怖い。……だけど、死ぬより辛くて怖いこともたくさんある。……私達は皆それを知って、乗り越えて来て、今がある。そうでしょ?」
「……そうかも、ですね」

 リリエラにも、薄々分かっているのだ。カミラは努めて明るく振る舞っているが、決して実の両親を失った悲しみを忘れたわけではない。むしろ誰よりも色濃くその記憶を残しているからこそ、その苦しみに飲まれまいと気丈に抗っているのだ。
 そんな彼女の胸中に隠された悲しみを思えば、いちいち怪人如きに怯えている暇などない。リリエラはその一心で気持ちを切り替えると、臆する心を振り払うように、プロトタイプγの凶眼と真っ向から睨み合うのだった。

 一方、ステアーAUGに装着したM203グレネードランチャーを撃ち続けていた1人の褐色美女は、自分達の攻撃に確かな手応えを感じ始めていた。だが、その表情に余裕の色は一切なく、むしろ焦燥に染まっている。

「見ろ、僅かだが弱り始めてるぞ……! だが不味いな、これ以上の接近を許せば奴の触手がッ……!」

 茶髪に近い黒髪のウルフショートヘアを靡かせ、ターコイズブルーの鋭い瞳でプロトタイプγを射抜いている、褐色肌の美女――朔夜(サクヤ)・モーリガン。
 たわわに実ったFカップの乳房を揺らして愛銃を握り締めている彼女もまた、肉親を失った悲しみを知るが故に、親代わりであるベイカー市長の救出に命を賭けている1人なのだが。彼女の奮闘も虚しく、すでに青緑の怪人は触手が届く射程範囲内に到達してしまっていた。

「……!? まさか、これほど離れていても奴の触手は届くのか!? いかんッ、皆離れろッ! 奴の動きが変わったッ!」

 その状況に危機感を覚えていた彼女が、やむなく攻撃を中断して距離を取ろうとするよりも早く。己の間合いに入り込んでいたプロトタイプγは、解放戦線の予測を遥
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