北欧編 仮面ライダーRC&レジスタンスガールズ 第7話
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ニッテを庇うように立つヴィクトリアも、得体の知れない怪人の出現に、動揺を隠し切れずにいる。2本の触手をしならせる緑色の怪人は、美少女兵士達の生理的な嫌悪感を煽るには十分過ぎるほどのグロテスクな外観を有していた。
光沢を放つ滑った触手はうねうねと不規則に動き、美少女達の豊満な肉体に狙いを定めている。ぷるんと揺れる乳房や桃尻、ぷっくりとした唇。戦闘服の下に隠された、瑞々しい柔肌。その全てを味わい尽くそうとするかのように。
「紹介するぜぇ……コイツの名は、プロトタイプγ。我がノバシェード屈指のイカれ科学者・斉藤空幻博士が、南米で完成させた新型フィロキセラ怪人の……『失敗作』だ」
「し、失敗作ですって……!?」
どんなに才能に溢れていようと、所詮は女。その事実を実感させてくれるニッテ達の反応に、戦闘員達はすっかり気を良くしているようだった。
シェード製高性能怪人の象徴とも言われるフィロキセラタイプとしては、紛れもない「失敗作」。だが、そんな個体でも怪人としての攻撃力だけは本物であり、武装しただけの生身の人間を屠ることなど造作もないのだ。
開発主任の斉藤空幻でも手が付けられなくなっていた「失敗作」を予備戦力の体で押し付けられ、今日に至るまで戦々恐々としていた彼らにとって、これはまさしく「最後の手段」なのである。
解放戦線が化け物染みた強さだというのなら、本物の化け物をぶつけてやれば良い。その狙い通りの状況を作り上げた戦闘員は、眼前の「失敗作」が何故そう呼ばれているのかも忘れ、威丈高な声を張り上げていた。
「あぁ、だがただの失敗作じゃねぇ。防御力と知性を引き換えに、攻撃性をより高めた人型の猛獣だ! コイツは動き出しちまったら、もう死ぬまで止まらねぇ……! そら、見せてやりな出来損ない! てめぇの恐ろしさをこのメスガキ共にッ……!」
次の瞬間。プロトタイプγは「うるさい蝿」を黙らせるかのように――ニッテ達と向き合ったまま、後方に触手を振り抜いていた。
彼は自分を解き放った戦闘員達を一瞥もせず、その触手で細切れに切り刻んでしまったのである。この一室は一瞬で血の海と化し、その激しい返り血がニッテとヴィクトリアにも降り掛かっていた。
「……敵と味方の区別もつかないなんて、確かに失敗作もいいところね……! ヴィクトリア、皆を集めて! 十字砲火で一気に仕留めるッ!」
「心得たッ! ……各員、この家を出て迎撃体勢に移行しろッ! コイツを我々の手で跡形もなく葬るぞッ!」
「りょ、了解ッ!」
その感触に頬を引き攣らせながらも、即座に状況を把握したニッテとヴィクトリアは、各々の愛銃を連射しながらこの一軒家から退避して行く。プロトタイプγは彼女達の銃撃を触手
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ