北欧編 仮面ライダーRC&レジスタンスガールズ 第1話
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ようだが、戦馬が「期待」を帯びた眼差しで一瞥しているそれが、見た目通りの代物であるはずがない。そんな市長の考えを裏付けるように、戦馬は輸送車の車体を裏拳で小突き、気さくな声色で呼び掛けていた。
「俺はこれからこの街を脱出し、軍の包囲網をブチ抜いて別の国に向かう。俺達が遊んでやらなければならないライダー共は他にも大勢居るからな。それから、この黒死兵達はここに置いて行く。どうせ他の連中では持て余す代物だ、指揮権はお前に譲る」
「な、なんだと……!? 貴様、この期に及んで逃げ出そうというのか!? 仲間達を置き去りにして!」
「敵の頭数が減るというのに怒り出すとは、随分と騎士道精神に溢れた市長様だな。……心配するな、コイツの方が俺よりもずっと良い『仕事』をしてくれる。退屈などさせんよ」
戦馬の口振りから、彼がこのまま街を去るつもりだと知った市長は恐怖も忘れて声を荒げる。踵を返して公邸を去ろうとする戦馬を追うように、市長が立ち上がろうとした、その時だった。
「待っ……!?」
市長の声を遮るように、輸送車のハッチが開かれ――その奥から、幾つものコードに繋がれたもう1人の怪人が現れたのである。
「ゴオォ、オォオオ……」
だが、その外観は紛れもなく「仮面ライダー」のそれであった。戦馬と同じ始祖怪人の一角とされている、その怪人の名は「仮面ライダーRC」。
輸送車に搭載されたスーパーコンピューター「LEP」による遠隔操作を介して制御されている、外部端末怪人なのだ。
そのボディは、過去の仮面ライダーGとの戦いで破損した部分を、緑色の追加装甲で補修している現地改修仕様であり。後から足された緑色と、元々の鈍色が織り成す歪なまだら模様は、さながら迷彩色のようであった。
「じゃあな、しっかり学んで来い。……だが、勢い余って殺すなよ。後の楽しみが減ってしまうからな」
「……任務、了解。これより、『仮面ライダー』迎撃体制に、移行する」
肩越しに戦馬が言い捨てた言葉を「命令」と認識した鋼鉄の怪人が、濁った機械音声で「了解」の意思を示す。その異様な姿に、市長はただ慄くばかりだった。
(な、なんなのだ、この鉄の怪人は……!? ただの改造人間ではない……! この輸送車とコードで繋がれているとは、一体こいつは……!? しかも奴は今、「俺よりも良い『仕事』をする」と……! この怪人は街を破壊した黒死兵達や、それを使役していた奴よりも、さらに「上」の強さだと言うのか……!?)
自身が敬愛した新世代ライダー達にも通じる、「仮面ライダー」らしいヒロイックな外観。それに反した不気味なまでの無機質さが、市長の背筋に悪寒を走らせる。
(ダ、ダメだ……! あの仮面ライダー達
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