北欧編 仮面ライダーRC&レジスタンスガールズ 第1話
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――2021年9月10日。北欧某国の小都市「オーファンズヘブン」中央区、市長公邸。
街の中枢に位置するその門前から、破壊し尽くされた街の様子を見渡している1人の男が居た。彼は瓦礫が散乱している眼前の惨状に、満足げな笑みを浮かべている。
本来なら整然とした街並みが広がっているはずの場所は今、無残な瓦礫と廃墟ばかりのゴーストタウンと化していた。その「景色」を作り出した張本人であるが故に、彼は自分の「仕事振り」に喜んでいるのだ。
「随分と見晴らしの良い景観になったもんだ。そうは思わんか? 市長さんよ」
野戦服の上にレッドブラウンのトレンチコートを羽織り、艶やかな銀髪を靡かせているその美男子の名は――戦馬聖。
「レッドホースマン」のコードネームを持つ旧シェードの生き残りにして、現在のノバシェードを統率している「始祖怪人」の一員である。彼が率いる強力な自律式怪人「黒死兵」の侵略により、この街は壊滅の危機に瀕しているのだ。
「き、貴様らぁ……! な、何ということをッ……!」
彼の背後で両膝を着き、縛り上げられているこの街の市長――ドナルド・ベイカーは、恐怖と憤怒が混じり合った表情で戦馬の背を睨み付けている。この某国を代表する有名な慈善活動家にして、世界最優の名医としても広く知られている男だ。
恰幅の良い体格と優しい顔立ちの持ち主である彼は、故郷である愛する街を破壊された悲しみと怒りに苛まれ、沈痛な唸り声を上げている。
そんな彼の両脇に立っている4人の黒死兵は、感情というものが全く感じられない冷たい視線で、市長の背中を射抜いていた。この街に破滅を齎した漆黒の怪人達は、戦馬のものと同じ野戦服に袖を通している。
「ふん、あんな格好で何を粋がっていやがる? 笑わせるぜ」
「俺達がちょっと捻ってやれば、容易く死んじまう脆弱な人間風情がよ」
公邸の内部を占拠している無数の一般戦闘員達も、膝を着いた市長をバルコニーから嘲笑うように見下ろしている。
「生身の人間に毛が生えた程度」の膂力しかない粗悪な改造人間である彼らだが、徒党を組めばかなりの脅威となるのだ。小銃で武装した彼らの存在も、この街が壊滅した原因の一つなのである。
(それにしても、この男……以前に見たことがあるノバシェードの連中とは、明らかに違う! 覇気、風格、眼力……全てにおいて別格だ! この男は一体……!?)
そんな悪鬼達に注目される中で。彼は独り、戦馬の背中から迸る凄まじい威風に圧倒されていた。
実はこの市長が、ノバシェードのテロに遭遇したのは今回が初めてではなかったのだ。
数ヶ月前、出張のため遠方の首都「エンデバーランド」に足を運んでいた際も、彼
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