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仮面ライダーAP
凶兆編 仮面ライダータキオン&エージェントガール 後編
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ビー級ボクサーの始祖怪人ですら抗えないほどの膂力を発揮している。

 始祖怪人達の中でも最強と恐れられていた、羽柴柳司郎こと「仮面ライダー羽々斬(ハバキリ)」。彼直伝の技で間柴を投げ飛ばした戦馬は、「授業」を受けさせられていた頃の自分を想起させる間柴の姿に、不敵な笑みを溢していた。

「へっ……死ぬまで殺り合う、ねぇ。俺としちゃあ、それで一向に構わねぇんだけどなァ。この俺との殴り合いが成り立つ相手なんて、ごく一握りじゃねぇか。そうだろう? 元特殊部隊(スペツナズ)の戦馬さんよォ」

 1970年代に徳川清山と出会い、改造人間として生まれ変わるまで。旧ソビエト連邦軍の精鋭特殊部隊で訓練を積んでいた、ロシア系の血を引く生粋の「兵士」。そんな戦馬の技と腕力に冷や汗をかきながらも、間柴は変わらず薄ら笑いを浮かべ、軽口を叩いている。その様子に口角を緩めて手を離した戦馬は、自分と共にこの「ご挨拶」を静観していた「No.2」の方へと視線を移していた。

「だったら例の『決戦の日』まで、壁でも殴って待ってるんだな。……ほうれ、『No.2』のお見えだぜ」

 彼の視線の先に居たのは、両腕を組んで「ご挨拶」の顛末を見届けていた1人の男。鍛え抜かれた太い腕を組み、威厳に満ちた面相で間柴の暴走を静観していた壮年の古参兵だった。

「……その『戯れ』を見るに、基礎動作も申し分ないようだな。これでようやく、俺達全員が真の意味で結集出来たということだ」

 現在の始祖怪人達に多くの指示を与えて来た、事実上の「No.2」こと間霧陣(まぎりじん)。スキンヘッドの頭と左眼の眼帯を特徴とする元脱獄囚は、ゆっくりと戦馬達の前へと歩み出して来た。

「だが、今のRCがどれほど戦える状態にあるか……『実戦』を通じて検証する必要がある。『決戦の日』までには万全の状態に調整しておかねばならんからな」

 一歩地を踏むたびにそこから溢れ出す覇気の威力は、猛者揃いの始祖怪人達の中でも群を抜いている。それほどのオーラを纏っている間霧は、一瞥するだけでRCを輸送車の車内へと引き退らせていた。

「実戦だァ? それなら話が早いぜ、この俺が死ぬまで付き合ってやらァ。LEPとしても、やり甲斐のある相手じゃねぇと検証にならねぇだろ?」

 だが、恐れ知らずの間柴はその場で飛び起きると、彼相手にも無遠慮に食って掛かる。闘争に飢える巨漢は、相手を問うことなく戦いを渇望し続けていた。そんな彼を右眼でじろりと睨む間霧は、おもむろに野戦服の懐へと手を伸ばしている。

「お前にやらせていたら『対消滅』もあり得る。その案は却下だ」
「チッ……じゃあ、どこのどいつにLEPとRCの『試運転』に付き合わせるってんだァ? だいたい、場所はどうするつもりなんだよ。俺達始祖怪人が暴れるには、
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