凶兆編 仮面ライダータキオン&エージェントガール 後編
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した鈍色の鉄人は、赤い複眼から眩い輝きを放っていた。
――本体であるLEPは早期に再起動していたのだが、その手足とも言うべきRCを戦える状態にするまでには、かなりの月日を要していた。その補修期間がようやく終わりを告げ、最恐最悪のロボット怪人が令和の世に蘇ってしまったのだ。
半年前のエンデバーランド事件をはじめとする、世界各地で起きた数々の武装蜂起。それらは全て、現地の戦闘員達が自分の意志で起こしたもの――と本人達は思い込んでいるのだが。彼らは皆、他者を扇動する能力を持つ「始祖怪人」達によって裏から誘導され、操られていたに過ぎない。差別からの解放を目指したノバシェードの「聖戦」は全て、RCの「補修」が完了するまでの時間稼ぎとして利用され、消費されていたのである。
「ォオォ……」
濁った機械音声を漏らし、妖しく両眼を輝かせるRC。真っ当な神経を持ち合わせている生身の人間ならば、その異様な姿を目にするだけでも本能的に震え上がってしまうだろう。
だが、そんな悍ましいオーラを纏っている「同胞」の姿を目の当たりにしても。恐れるどころか、薄ら笑いすら浮かべている者がいた。
「へっ、ようやく『補修』が終わったみてぇだな。随分と待たせてくれたじゃねぇか、天下のスーパーコンピューターさんよぉ?」
褐色の肌と、短く刈り上げた黒髪が特徴の巨漢――間柴健斗。野戦服がはち切れそうなほどの筋肉量を持つその大男は、へらへらと笑いながらRCの額を裏拳で小突いていた。
「あーあ、やっちゃったぁ。ボクはどうなっても知らないよぉ〜?」
「……実に愚かな行いだ。ほとほと呆れる」
「ははっ、あいつらしくてイイじゃねぇか」
その恐れ知らずな挑発行為に、周囲の仲間達は様々な反応を示している。呆れる者も居れば、嗤う者、案じる者、静観する者も居る。だが、彼らの脳裏にはある1点の共通項があった。
――この男は間違いなく、痛い目に遭う。それが間柴の行為に対する、この場に居る全員の共通認識となっていた。
「……そこまでにしておけ、間柴。LEP相手に『言い訳』の類は一切通用しない。湾岸戦争の頃、1発誤射した『黒死兵』がバラバラに引き千切られていただろうが」
その「顛末」を予見していた1人である長身の美女・福大園子は、腕を組んで豊満な乳房を寄せ上げながら、呆れた様子で口を開く。だが、同胞の忠告にも耳を貸すことなく、間柴はRCの額を小突きながら嗤っていた。
「ハハッ、固えこと言うなよ福大。こんなのほんの『ご挨拶』――」
そして、彼が福大の豊満な乳房へと視線を移した瞬間。間柴の「戯れ」を「攻撃」と認識したRCの鉄拳が、彼の横っ面に炸裂する。
間柴の巨体が紙切れのように吹き
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