凶兆編 仮面ライダータキオン&エージェントガール 後編
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ていたのだという。
◆
――総監。あんたは言っていた。例えどんな時代であろうと、その時代が望めば仮面ライダーは必ず蘇ると。
――けれど、こうも言った。一つでも多くの命を、笑顔を守ることが、俺達が存在する意義になるのだと。
――それなら俺は、仮面ライダーなど2度と望まれない時代を作りたい。俺達のような連中を望む必要なんてない、そんな世界が欲しい。
――だから俺は、好かれない方が良いのだと思う。もし何かの間違いで、俺を好きになる奴が1人でも現れてしまったら。俺のために、一つの笑顔が消えてしまう。
――いつの日か、俺達が要らなくなる時が来るまでに。1人でも多くの人間が、笑ってその時代を迎えられるように。俺は、俺が不要とされるために戦う。
――それでも俺を必要だと思う馬鹿が、どこかに居るというのなら。そんな奴は、あんた独りぐらいでいい。それでも構わないだろう? 総監……。
◆
北欧某国の全土を震撼させた「エンデバーランド事件」。その大規模テロの発生から約半年後の、2021年9月6日。
某国の極北部に位置するとある工場跡地では、とある怪人が「真の目覚め」を迎えようとしていた。
その地はかつて、軍事兵器の製造を中心としていた大規模な工業地帯だったのだが、旧シェードによって滅ぼされた今となっては見る影もない。
誰も住む者が居なくなったその極寒の地には、幾つかの廃工場だけが残されている。そのうちの一つの屋内では、1台の装甲車両の「調整」が行われていた。
前世紀の兵員輸送車を想起させる外観を持つその車両の内部からは、バチバチと激しい火花が飛び散っており、薄暗い廃工場を内側から照らしている。野戦服に袖を通した十数名の男女はその車両を取り囲み、「調整」の様子を神妙に静観していた。
ただそこに居るだけで迸る、凄絶な覇気。若々しい姿からは想像も付かないその威風を全身に纏い、彼らは歴戦の猛者さながらの鋭い双眸で、「同胞」の目醒めを待つ。
そして、輸送車のハッチが開かれた時。その奥から電光と黒煙を帯びて、1人の「怪人」が進み出て来る。その不気味な様相は、地獄の封印から解き放たれた悪魔のようであった。
「……戦闘システム、オールグリーン。RC、再起動完了。これより、正規戦力として『始祖怪人』に合流する」
濁った機械音声を発し、「調整」の完了を告げるロボット怪人「仮面ライダーRC」。その機体を車内から制御しているスーパーコンピューター「LEP」は、ハッチの奥から怪しい発光を繰り返していた。
かつてこの工業地帯を滅ぼした旧シェードの遺物は今日、完全に目醒めてしまったのである。仮面ライダーGとの戦いで破壊された装甲を「補修」
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