凶兆編 仮面ライダータキオン&エージェントガール 中編
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ェードに襲われれば、ひとたまりもない。
ライダー達の「ボス」とも言うべき番場惣太警視総監はそのリスクを見越して、日本で夫の帰りを待っている部下達の妻に対しては特に厳重な警備体制を敷いているのだが――それも、絶対と言えるものではない。
現に、「仮面ライダーケージ」こと鳥海穹哉はすでにノバシェードのテロによって、妻子の生命を奪われてしまっている。彼と同じ苦しみを味わうことになる可能性は、ノバシェードが存続している限り永久に付き纏うのだろう。
(都……俺は必ず、お前を守り抜いて見せるぞ。鳥海一家のような惨劇は……何としても阻止せねばならないんだッ! この「仮面ライダーイグザード」……熱海竜胆の誇りに懸けてもなッ!)
かつての同僚でもある最愛の妻、都。日本に残して来た彼女と愛娘達の笑顔が、脳裏を過るたびに。イグザードの鎧を纏う竜胆は拳を震わせ、漆黒のマントを覇気のオーラで靡かせている。全身に迸る凄まじい威圧感はやがて波紋となり、彼を中心に広がって行った。
(……鳥海のような思いだけは、もう誰にもさせはしねぇ。そのためにも……こいつらだけは! 迅速かつ正確に、完膚なきまで叩き潰すッ! そうでなければこの俺、南義男に「仮面ライダーボクサー」を名乗る資格なんざねぇッ! そうだろう、本子ッ!)
愛する妻の笑顔を糧にしているのは、竜胆だけではない。巨大な拳をガツンとぶつけ合い、闘志を剥き出しにしているボクサーこと義男も、妻を守ると意気込む1人の夫として、ノバシェードの戦闘員達を鋭く睨み付けている。イグザードの覇気にも全く見劣りしないほどの苛烈なオーラが、その白銀のボディから滲み出ていた。
――自分達が専用のマシンで駆け付けて来るまで、この一帯に響き渡っていた悲痛な叫び。その悲鳴と、声の主であるヘレンのあられもない姿。義男と竜胆はその光景から、あり得るかも知れない「妻の窮地」を連想してしまっていた。
熱海都と、南本子。愛する妻達の名を心の奥底から呼ぶ男達は、己の鉄拳を熱く震わせている。穹哉と同じ悲劇だけは、繰り返してはならない。このような暴虐は、断固として阻止せねばならないのだと。
一方、新世代ライダー達の登場に一時は怯んでいた戦闘員達は、気を取り直したように吼え始めていた。「お楽しみ」を邪魔された怒りで恐怖の感情を塗り潰した彼らは、相手の実力を推し量ることも忘れて挑み掛ろうとしている。
「てめぇら……全員仮面ライダーか! 俺達の『聖戦』を邪魔しやがって……! いつまでもてめぇらの思い通りになると思うなよッ!」
やがて。今回のテロに参加した戦闘員達の「主力」である、腕力特化型の改造人間
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